このところ胃ろうで延命することの是非が議論され、この処置を受けたくないという人が増えているようです。
この胃ろうを推進する立場の人からのコラムがありましたが、私としては当然やりたくない治療の一つです。
ここで実例が示されていましたが、認知症の93歳の女性が食べられなくなり、家族は胃ろうを作るかどうかの判断を迫られ、結局手術を受けることにしました。その結果胃ろうからの栄養補給で衰弱した身体も回復し、リハビリをする意欲が出てきて、また自分で食事をするまでに元気になったということです。
胃ろうは、口から食餌を取れなくなったとき、胃に小さな穴をあけて栄養剤を直接注入する「人工栄養」です。その他の人工栄養としては鼻から胃に管を通して栄養剤を送る経鼻栄養や、太い血管から点滴投与する中心静脈栄養などで、手術の必要はありません。しかし誤嚥や感染症の恐れがあり、長期の継続は難しいようです。
一方胃ろうは局所麻酔の内視鏡手術で、15~30分ででき、医師が1か月から半年ごとに器具を交換すれば、日々の管理は家庭でも可能となります。自分の消化器官を使うため体調が安定しやすく、1990年代前半から爆発的に普及したようです。
医療経済研究機構が2012年に調査した1467人のうち、胃ろうを作る時点で再び口から食べられる可能性が「なかった」患者は59%でした。可能性が「あった」患者は24%でしたが、そのうち2割余りはリハビリが行われていなかったとしています。
私も何人か胃ろうを受けていた人を知っていますが、いずれもそのまま亡くなっています。私の母の時は、ボケる前から尊厳死を望んでいましたので、胃ろうは作らず点滴だけにしましたが、約3か月で亡くなりました。もし胃ろうをしていれば半年か1年延命できたかもしれませんが、それが意味ある延命とは今でも思っていません。
実際厚生労働省の2017年の調査では「自身の認知症が進行し、身の回りの手助けが必要でかなり衰弱が進んできた」場合、胃ろうを「望まない」と答えた人が72.4%に上っています。また医師や看護師、介護職員はさらに多く90%前後となっています。
このコラムの著者は胃ろうが悪者というイメージが、医療や介護従事者にまで広がっていると嘆いていますが、こういった数値の割には胃ろうを受けている人が多いような気がします。
それでもここ数年は胃ろう関係の医療費も下げられ、実施件数も減少しているようです。やはり例のように回復して自力で食べられるようになる人以外は、無意味な延命処置といっても良いような気がしています。
この胃ろうを推進する立場の人からのコラムがありましたが、私としては当然やりたくない治療の一つです。
ここで実例が示されていましたが、認知症の93歳の女性が食べられなくなり、家族は胃ろうを作るかどうかの判断を迫られ、結局手術を受けることにしました。その結果胃ろうからの栄養補給で衰弱した身体も回復し、リハビリをする意欲が出てきて、また自分で食事をするまでに元気になったということです。
胃ろうは、口から食餌を取れなくなったとき、胃に小さな穴をあけて栄養剤を直接注入する「人工栄養」です。その他の人工栄養としては鼻から胃に管を通して栄養剤を送る経鼻栄養や、太い血管から点滴投与する中心静脈栄養などで、手術の必要はありません。しかし誤嚥や感染症の恐れがあり、長期の継続は難しいようです。
一方胃ろうは局所麻酔の内視鏡手術で、15~30分ででき、医師が1か月から半年ごとに器具を交換すれば、日々の管理は家庭でも可能となります。自分の消化器官を使うため体調が安定しやすく、1990年代前半から爆発的に普及したようです。
医療経済研究機構が2012年に調査した1467人のうち、胃ろうを作る時点で再び口から食べられる可能性が「なかった」患者は59%でした。可能性が「あった」患者は24%でしたが、そのうち2割余りはリハビリが行われていなかったとしています。
私も何人か胃ろうを受けていた人を知っていますが、いずれもそのまま亡くなっています。私の母の時は、ボケる前から尊厳死を望んでいましたので、胃ろうは作らず点滴だけにしましたが、約3か月で亡くなりました。もし胃ろうをしていれば半年か1年延命できたかもしれませんが、それが意味ある延命とは今でも思っていません。
実際厚生労働省の2017年の調査では「自身の認知症が進行し、身の回りの手助けが必要でかなり衰弱が進んできた」場合、胃ろうを「望まない」と答えた人が72.4%に上っています。また医師や看護師、介護職員はさらに多く90%前後となっています。
このコラムの著者は胃ろうが悪者というイメージが、医療や介護従事者にまで広がっていると嘆いていますが、こういった数値の割には胃ろうを受けている人が多いような気がします。
それでもここ数年は胃ろう関係の医療費も下げられ、実施件数も減少しているようです。やはり例のように回復して自力で食べられるようになる人以外は、無意味な延命処置といっても良いような気がしています。