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「第六の指」の身体化に成功

2022-04-24 10:27:26 | その他
身体に羽を付けて空を自由に飛び回るというのは、多くの人が抱く夢かもしれません。

電気通信大学などの研究チームは、独立して制御可能な人工指である「第六の指」の身体化に成功したと発表しました。この技術を応用すれば、羽やしっぽなど人間が持っていない器官を人間が身体化できる可能性を秘めているようです。

電気通信大学とフランス国立科学研究センター(CNRS)は共同で、他の身体の部分と独立して動かすことができる人工身体部位である第六の指を開発し、自らの身体の一部として取り込む(身体化する)実験に成功しました。

これは小指の隣にもう1本人工的な指を装着していますが、この人口指が第六の指となっています。人工指を取り付けた前腕のひじの近くに3つほどセンサーを取り付けます。

このセンサーは筋肉から電気信号を計測し、この信号を計算機で処理した後、人工指に取り付けられているモーターへ制御信号を送り動かすという仕組みです。

研究チームはこの第六の指だけにとどまらず、身体の拡張について幅広い研究をしており、工学的な観点、身体拡張的な視点、脳的な観点に分けられます。工学的な観点では、失った人たちについて人工的な腕、足、指などさまざまなロボティクス的な開発が進められています。

身体拡張的な観点については、今回の第六の指の開発によって、既存の身体部位と独立して動かすことができる人工身体部位が工学的に実現可能であることが証明されました。

この独立して動かすことができるというのがキーポイントで、動きに使われない筋活動を利用し、他の身体部位の動きと独立して制御することが可能となりました。この技術を応用することにより、第三の腕や四本の足なども実現できるかもしれません。

さらに脳的な観点ですが、こうした新しい部位を身体化した時に脳でどのような変化が起きているかを調べることが重要です。指を動かすと脳の運動野と体性感覚野の活動が活発になることが知られています。

これは自分が先天的に持っている指を動かすときの活動ですが、新たに人工的に装着した第六の指を装着した場合、脳はどのような反応を示すかはこれからの研究のようです。

ただ研究チームはこの第六の指の使用に短時間(1時間程度)で慣れることにより、それが自分の身体の一部と感じられたときにおこる感覚と行動の変容を捉えることに成功しています。つまり1時間程度の時間があれば、人間は新たな人工的な指でも慣れることができるようです。

この研究をさらに応用し拡張することで、夢のような羽を付けて飛ぶことへの第一歩となるのかもしれません。


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