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ガンは手術せず日帰り入院で治療する時代に

2022-10-12 09:34:15 | 健康・医療
ガンの治療法は、海外に比べて日本は異様に手術偏重の傾向があることをこのブログでも書いています。

内視鏡手術なども行われていますが、内臓のガンの場合は全身麻酔をはじめとして、患者の負担は想像以上に大きいような気がしています。

最近は肺ガンなどには、30分程度の治療時間で済み、超低侵襲すなわち患者の身体へのダメージが非常に少ない画期的な治療法が開発されています。

それが「光線力学的治療(PDT)」と呼ばれるレーザーを用いる治療法のひとつで、美容の分野では「フォトダイナミックセラピー」の呼び名で知られています。レーザーといっても、レーザーメスのように熱で病巣を焼き切るものではありません。

光に反応する薬剤(光感受性物質)を体内に投与し、手をかざしてもほとんど熱さを感じない程度の低出力レーザーを照射します。その際に生じる化学反応を利用して、ガン細胞を壊死させたり縮小させたりする治療法です。

この治療法は1994年に承認され、1996年に早期の中心型肺ガンに対して保険適用されています。当初は早期の中心型肺ガン、食道ガン、胃ガン、子宮頸ガンの4種類のみが保険適用されていましたが、現在は肺ガン(進行ガンの緩和目的)、悪性脳腫瘍、再発性食道ガンにも適用が拡大されています。

当時は「光過敏反応」(顔や手などの露出した部分に日光などレーザー以外の光が当たると赤くなったり、発疹や水ぶくれが出来たりする)という副反応を防ぐために1週間ほど光を避ける生活を送る必要がありましたが、現在は改善されほとんど不便はないようです。

しかし現実にはPDTがあまり普及しているとはいえず、私も全く知りませんでした。現状PDTは年間100〜200件しか行われていません。2018年に肺ガンと診断された人数は12万2825人で、その中で中心型肺ガンに分類される患者は10〜30%となっています。

こういった人を早期に発見できたなら、1万人以上がPDTを受けてもおかしくないのですが、この治療法の恩恵を受けている人はあまりにも少なくなっています。

この理由は肺ガン検診の受診者が少なく、早期発見が難しい事、またPDTの存在を知っている人が少ないからといわれています。

認知が広がらないのは、肺ガンで最も多い腺ガンを治療できないことから話題になりにくく、中心型肺ガンの最大の要因とされる喫煙人口が減少し患者自体が減っていることとしています。

しかし私はPDTを患者が知る必要はなく、むしろ医師が患者に選択肢として示していない(たぶんですが)ことが問題ではないかと思っています。このPDTがどの程度の治療設備が必要なのかよくわかりませんが、それほど大規模なものではないようですので、現場の医師がしっかり把握していればもっと実施されるのではないでしょうか。

患者が治療法を出すのではなく、医師が選択肢として出すのが本来の進め方と考えています。


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