ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

働く人の2割超が「夜間勤務」体内時計をどう修正

2022-10-13 10:42:47 | その他
私は研究職でしたので、基本的に夜間勤務の経験はありません。

有機化学では「終夜反応」という便利な手法があり、時間がかかりそうな場合はそのまま次の日の朝まで反応を続けることが一般的ですので、徹夜になることはありませんでした。

私が徹夜というと麻雀を続けて明るくなってやめるという程度ですが、次の日など2日くらい調子が悪かった記憶があります。

厚生労働省の調査によると、現在では勤労者の20%超が何らかの夜勤(交代勤務)に従事しています。人間の活動の24時間化や国際化が進んだ現代では、昼夜を問わず社会機能を維持する必要があります。

電力やガス、医療、運輸、通信などの社会インフラの維持に携わる業種は24時間休みなく、夜勤(交代勤務)に従事する人に支えられています。

夜勤では普段は眠っている時間帯に起きて仕事をしなくてはならないので、眠気もあるし日勤時よりも疲労感が強く、好んで夜勤に従事する人は少数派でしょう。夜勤者の睡眠の質が低下し、体内不良が生じる主な原因は「内的脱同調」と呼ばれる現象が体内で生じているためです。

簡単にいえば内的脱同調とは「睡眠時間帯と体内時計のミスマッチ」のことです。夜中になると交感神経が静まって副交感神経が活発になり、脳も含めた体の深部の温度が低下し、睡眠作用のあるホルモンが分泌されるなど質の良い睡眠をとるための体内環境が整います。

つまり睡眠とそれを支える生体機能のリズム位相が調和しているのです。ところが夜勤では、睡眠時間帯を人為的に動かすためその調和が乱れるのです。

こういった生体機能リズムの時刻合わせをしているのが体内時計で、これは強力かつ安定していてたまに夜勤があるからといって急に生体機能リズムを合わせることはできません。

この夜勤を何日ぐら連続して行えば、夜勤向けの体内環境が整うかという研究によれば、夜勤を2〜3週間続けてようやく可能になるそうです。ただこのような長期間の夜勤は少なく、例えば3交代制のシフト勤務をする看護師の場合、夜勤は月平均7.5回つまり週に2回程度となります。

この様な交代勤務では生体機能リズムは基本的に日勤に合っており、夜勤ごとに内的脱同調が生じてしまいます。このような長年にわたる夜勤は、生活習慣病や乳ガン、前立腺ガンなどの発症リスクを高めることが明らかになっています。

どうもこういった問題の解決策はないようですが、私は夜勤に向いているのかもしれません。私の体内時計はしっかりしていないようで、海外に出かけても時差ボケになったことがありません。

こういった個人差はあるものの、夜勤をする人によって社会がうまく回っていますので、その苦労に感謝すべきことのようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿