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日本の寝たきり老人数は世界ダントツの1位

2023-09-07 10:32:57 | 健康・医療
もう10年以上前のことですが、母の調子が悪くなり入院することになりました。たまたまベッドが空いていた呼吸器科に入りましたが、入院患者はほぼ全員が老人でした。

この病院は先端医療を売り物にしているかなり大きな病院でしたが、まるで高齢者施設の様な感じでした。母は入院3か月ほどで色々な臓器が痛んできて、肝臓や腎臓の数値がどんどん悪くなっていきました。

当然食べられなくなり医師に胃ろうを勧められましたが、母は元気なときには延命治療は受けたくないと言っていましたので、胃ろうではなく点滴栄養を選択しました。医師の予想通り3か月後に静かに亡くなりました。

最後まで意識ははっきりしていましたが、母にとってこの3か月が良かったのかは難しいところです。さて日本の寝たきり老人の数は、推定ですが世界ワースト1位のようです。

最近こういった調査が行われていませんが、1989年の報告では日本の老人の寝たきり率は、施設入所者でアメリカの約5倍、住宅居住者でイギリスの約3倍、デンマークの約6倍でダントツの世界一でした。

日本では寝たきり老人が、300万人以上いると推計されています。2020年の介護保険事業報告(厚生労働省)では、施設に入所している寝たきり老人だけで300万人以上おり、自宅等で寝たきりになっている人を含めればさらにその数は増えそうです。

日本以外の国では、医療機関などには「寝たきり老人」はほとんどいないとされています。日本以外では自力で生活できなくなった人に過度な延命治療はしないので、医療機関に寝たきりで何年も生きているような人はほとんどいません。

この寝たきり老人が多いことの原因こそが、日本医療制度の欠陥の原因ともいえるようです。医療現場では「とにかく生存させておくこと」が善とされ、点滴、胃ろうなどの延命治療がスタンダードに行われています。

自力で食べることができずに、胃に直接栄養分を流し込む「胃ろう」を受けている人は、現在25万人いると推計されています。寝たきりで話すこともできず、意識もなくただ生存しているだけという患者も多いようです。

日本の場合親族などが望んでいなくても、一旦延命治療を開始すると、それを止めることが法律上なかなか難しいという事があります。自力で生きることができなくなったら、無理な延命治療はしないという事は先進国では一般的になっています。

日本がこの世界標準の方針を取り入れるだけで、医療費は大幅に削減できるはずです。日本がこれをしない一因は、この延命治療で儲かっている民間病院が多いことです。

そういう民間病院が圧力をかけ、現状の終末医療をなかなか変更させないという事のようです。つまり「開業医の横暴」が、日本の医療を歪めていると言えるのかもしれません。


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