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エーザイのアルツハイマー病治療薬を承認

2023-09-08 10:37:06 | 
私は76歳になり予想外のことを忘れたりして、認知症の初期ではないかと若干心配しています。最近厚生労働省は、エーザイのアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」の製造販売承認を了承しました。

レカネマブについてはこのブログでも以前取り上げましたが、病気を発症させる原因タンパク質のアミロイドベータを除去して進行を遅らせる効果が期待できる初の認知症薬です。厚生労働省が正式承認する見込みで、早ければ年内にも実用化されそうです。

レカネマブはアミロイドベータが固まる前の段階で、人工的に作ったこの抗体を結合させて神経細胞が壊れるのを防ぐ仕組みです。このタイプは病気の原因に直接働きかける「疾患修飾薬」と呼ばれます。

ただしすでに死んでしまった神経細胞は再生できないため、投薬効果が期待できるのは発病早期の患者に限られます。このため投与対象はアミロイドベータが脳内に蓄積し、生活に支障が出始めた軽度の患者とその前段階の軽度認知症の人となります。

臨床試験では日本や米国のほか欧州、アジアの235医療機関で早期のアルツハイマー病と診断された患者1795人(平均72歳)を対象に、新薬レカネマブを2週間に1回点滴しました。18か月後に症状の悪化をプラセボ投与群と比較しました。

その結果、新薬投与群は記憶や判断力などの認知機能や身体活動などに出る症状の悪化が27%抑制されました。アルツハイマー病は脳の神経細胞の働きが弱くなって認知機能が低下する進行性の病気で、問診や脳画像、脳脊髄液の検査などを行って診断します。

厚生労働省によると、この病気は認知症全体の70%近くを占め、患者数は2025年には約700万人、65歳以上の5人に1人にも上ると試算しています。

レカネマブはこの認知症の初めての治療薬として大いに期待されているようですが、私はかなり懐疑的に考えています。その最大の問題点が価格で、まだ薬価は発表されていませんが、アメリカでは1人年間380万円以上かかるとされています。

ここまで高額にはならないと思いますし、日本には高額医療制度もありますが気楽に受ける治療とはならないような気がします。また臨床試験での有効率(抑制率)の低さも気になります。

簡単にいえば10人治療しても3人しか効果が出ず、7人には効かないという事になります。これで本当に期待の治療薬といえるのでしょうか。もともと認知症は個人差が大きく、急激に進行する人もいれば軽度のまま進まない人もいます。

しかもこの薬は進んでしまった人は適応外となりますので、よけい使用が難しくなるのではないでしょうか。自分や身内が認知症かと思っても、積極的に高額の医療費を払って治療しようとは思えない薬といえそうです。


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