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心臓病=突然死は間違った認識

2020-05-30 10:15:16 | 健康・医療
心臓・血管の病気は、ガンと並ぶほど日本人に多い死因です。

しかし健康に関する情報があふれている中、心臓・血管の病気について正しい知識を伝える媒体は極めて少なく、多くの誤認が生じている現状があるようです。

心臓や血管の病気と聞くと、急に胸が苦しくなったり、急激な頭痛に襲われたりして倒れてしまうという、いわゆる「突然死」のイメージがあります。しかし現代では、心臓・血管の病気によって突然死するケースは多くありません。

もちろん全くないわけではありませんが、そういうケースは医療の進歩によってどんどん減っています。現代における心臓・血管の病気の正しいイメージは、徐々に悪化していく「慢性病」といえるようです。

ある意味ガンと似ているのですが、ガンと血管疾患のイメージは全く異なっています。ただし心血管疾患とガンとの間には大きな違いもあり、心血管疾患は観察しやすく、予防も治療も比較的簡単になっています。

心血管疾患についての誤ったイメージが広まっているのは、心血管疾患が複雑であることが一つの理由のとされています。心臓は一つの臓器ですが、心臓病には医師でも覚えきれないくらいの、非常の多くの種類があります。

症状や病気が起こるメカニズムもさまざまで、他の臓器に比べて心臓はとてもややこしい臓器と言えます。

これは心臓を専門とする医師は理解できても、一般の人が同じように理解することは難しいことです。医師は患者に分かりやすく説明したつもりでも、あまり正確でない心臓病の知識が広まってしまい、漠然と心臓病=突然死という、全く実態とかけ離れたイメージが広まってしまいました。

書店に行くとガンの闘病記がたくさん並び、テレビでもガンに関する番組を多く放映しています。ところがガンと同じくらい日本人にとって近しい病気である心血管疾患については、患者があまり情報を発信していません。

例えば「不整脈」という言葉は誰でも聞いたことがあるのですが、一般向けの不整脈に関する本はほとんどないのが現状です。この患者が口を閉ざす理由も、おそらく心血管疾患の理解が難しいからかもしれません。

ガンについては、悪いものができ徐々に大きくなるというイメージが定着し、これの基づきガンと戦おう・受け止めようといったメッセージを患者や医師、家族などが共有できます。

しかし心血管疾患については、日本社会に正しいイメージが存在しないのが現状です。心血管の正しいイメージは私もよくわかりませんし、そのためには難しい心臓について知らなくてはいけないようです。

単に心臓病=突然死ではなく、長く戦う慢性疾患である程度でもよいのかもしれません。


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