現在の日本の薬事システムでは、たとえ海外で承認され使用されていても、国内での臨床試験を経なければ原則使用することはできません。
薬剤について本当に「人種差」があるのかという問題は、あまり議論されることも無いのですが、安全のため日本人で治験をするという方針は変わらないような気がしています。
今回の新型コロナワクチンでさえ、原則日本人での治験という方針のため極少人数での試験を行ったため、海外に比べて接種開始が数カ月遅れてしまいました。
医薬産業政策研究所は欧米で薬事承認されているが、日本では承認されていない「未承認薬」に臨床的に重要な薬剤が半数以上含まれているとの調査結果をまとめました。
現時点で有効な治療法がない疾患に対する医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)を満たす薬剤も多く含んでいるようです。
同研究所は海外で既に承認されている薬が、日本で承認を得るまでに長い時間を要する「ドラッグ・ラグ(遅延)」問題の原因分析のため、国内の未承認薬について調査を行いました。
その結果2020年の調査時点での未承認薬176品目の中に、アメリカにおいて米食品医薬品局(FDA)から優先的に審査を受けられるファスト・トラック(FT)指定や画期的治療薬(BT)指定を受けた薬剤が2016年に比べて17%も増加して53%も含まれていることが分かりました。
さらにアンメット・メディカル・ニーズに応える希少疾病を適応とする欧米の「オーファン」指定を受けた未承認薬も増加しており、2020年時点で同指定を受けた未承認90品目のうち米国でFTまたはBT指定を受けた薬剤は75%を占めるに至っています。
こういった指定を受けた未承認薬の半数以上は、日本では開発自体もされていませんでした。薬効の分類別調査も行ったところ2020年時点の未承認薬は、ガン治療に用いる抗悪性腫瘍剤や全身性感染症薬、神経用薬剤の上位3領域が全体の半数を占めています。
特に抗悪性腫瘍剤や神経系用剤の未承認薬は、2016年に比べて倍増しています。ドラック・ラグには二つの側面があり、日本で発売された医薬品については、日本を含む国際共同治験の増加や審査機関の短縮といった改善により、欧米との発売時期の差は縮小傾向にあります。
一方近年増加している未承認薬については、新薬の創出活動が活発なバイオベンチャーが日本に開発拠点を設けていないことも一因とされています。
未承認薬に既存薬よりも有効な薬剤が多数含まれているという日本の現状は、世界では使える薬剤が日本では使えないという「ドラック・ロス」の事態を招いています。
難しい疾患にかかった患者の極特殊な人が、海外に出かけて治療受けるという事態は早急に改善すべきことのように感じます。本当に薬効に「人種差」があるのかどうかを含め、システム全体を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
薬剤について本当に「人種差」があるのかという問題は、あまり議論されることも無いのですが、安全のため日本人で治験をするという方針は変わらないような気がしています。
今回の新型コロナワクチンでさえ、原則日本人での治験という方針のため極少人数での試験を行ったため、海外に比べて接種開始が数カ月遅れてしまいました。
医薬産業政策研究所は欧米で薬事承認されているが、日本では承認されていない「未承認薬」に臨床的に重要な薬剤が半数以上含まれているとの調査結果をまとめました。
現時点で有効な治療法がない疾患に対する医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)を満たす薬剤も多く含んでいるようです。
同研究所は海外で既に承認されている薬が、日本で承認を得るまでに長い時間を要する「ドラッグ・ラグ(遅延)」問題の原因分析のため、国内の未承認薬について調査を行いました。
その結果2020年の調査時点での未承認薬176品目の中に、アメリカにおいて米食品医薬品局(FDA)から優先的に審査を受けられるファスト・トラック(FT)指定や画期的治療薬(BT)指定を受けた薬剤が2016年に比べて17%も増加して53%も含まれていることが分かりました。
さらにアンメット・メディカル・ニーズに応える希少疾病を適応とする欧米の「オーファン」指定を受けた未承認薬も増加しており、2020年時点で同指定を受けた未承認90品目のうち米国でFTまたはBT指定を受けた薬剤は75%を占めるに至っています。
こういった指定を受けた未承認薬の半数以上は、日本では開発自体もされていませんでした。薬効の分類別調査も行ったところ2020年時点の未承認薬は、ガン治療に用いる抗悪性腫瘍剤や全身性感染症薬、神経用薬剤の上位3領域が全体の半数を占めています。
特に抗悪性腫瘍剤や神経系用剤の未承認薬は、2016年に比べて倍増しています。ドラック・ラグには二つの側面があり、日本で発売された医薬品については、日本を含む国際共同治験の増加や審査機関の短縮といった改善により、欧米との発売時期の差は縮小傾向にあります。
一方近年増加している未承認薬については、新薬の創出活動が活発なバイオベンチャーが日本に開発拠点を設けていないことも一因とされています。
未承認薬に既存薬よりも有効な薬剤が多数含まれているという日本の現状は、世界では使える薬剤が日本では使えないという「ドラック・ロス」の事態を招いています。
難しい疾患にかかった患者の極特殊な人が、海外に出かけて治療受けるという事態は早急に改善すべきことのように感じます。本当に薬効に「人種差」があるのかどうかを含め、システム全体を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
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