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キノコの地球上での大切な役割・キノコパワー

2022-09-25 09:20:56 | 自然
 私はキノコ類がかなり好きで、よく食卓にも上がっています。独特の香りや食感が好きでよく食べていますが、実はキノコの本体はほとんど消化できないようです。

赤ちゃんが小さなキノコを丸呑みしてしまうと、便からそのままの形のキノコが出るというのは有名な話です。それでもキノコにはビタミンやミネラルをはじめとする色々な成分が含まれていますので、有用な食材であることは確かです。

このキノコがとんでもないパワーを秘めた生物であることが、さまざまな研究から明らかになってきました。売られているキノコを見ると植物のような感じがしますが、実は「担子菌」という真菌(カビ)の仲間であり、カビと同じ菌類です。

現在世界で知られているキノコはおよそ2万種とされていますが、まだ発見されていなかったり、名前がつけられていない種を含めると軽く10万種を超えるといわれています。

キノコは地中や倒木などに菌糸(マット状に広がる白い物体)を張り巡らせて、周囲から栄養を得て成長します。キノコの菌糸は伸びていった先で、適合する遺伝子型を持つ同じ種の菌糸と結びつき、成長した菌糸が集まって作る「子実体」というものがヒトが食べるキノコになるわけです。

この子実体はキノコの種ともいえる「胞子」を作る繁殖のために欠かせない器官といえます。雨粒の力を利用したり、動物が触れるなどの衝撃を利用したり胞子を飛散させる方法は種によって様々ですが、こうした戦略のおかげでキノコは地球全体へ分布を拡大しています。

キノコは生き物へアピールするためにさまざまな化学物質を使っており、そのひとつが匂いで、胞子を拡散させたいタイミングで虫たちが好むにおいを発し引き寄せています。この化学物質から有用な薬剤がいくつも見つかっています。

キノコには生態系を支える「分解」と「共生」という2つの大きな役割があります。分解で重要なのが枯れた樹木の分解で、固く丈夫にする「リグニン」という物質が含まれていますが、この物質を効果的に分解できるのはキノコしかないとされています。

およそ3億6千年前に「石炭紀」と呼ばれる時代があり、この時代のキノコにはまだリグニンを分解する能力がありませんでした。そのため樹木は枯れて倒れても完全には分解されず、それがこの時代に多く含まれる「石炭」となったのです。

その後リグニンを分解できる「白色腐朽菌」と呼ばれるキノコが登場し、樹木が土にかえるようになったといわれています。成長したキノコを土壌生物が食材とし、樹木の栄養分を含んだフンも土にかえり新たな生物巡回サイクルが出来上がったのです。

その他「共生」にも重要な働きをすることで、現在の生物循環が出来上がったとしています。この様にキノコが地球環境に重要な働きをしていると考えながら食べると、キノコのおいしさが増すかもしれません。


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