国民が裁判員として、司法に参加する「裁判員制度」がこの5月で10年を経過しました。
司法を身近に感じてもらうとか、判決に国民の感覚を入れるとかを目標に始まりましたが、昨年までに1万1千件以上、9万人近くの人が裁判員を経験しましたが、市民からは「人の判決を決めるのは荷が重い」、「制度がよく分かっていない」などの声が聞かれるようです。
私はこの制度については当初から批判的でしたが、裁判員にはなってみたいと思っていますが、未だ声がかかったことがありません。
裁判員裁判は原則として殺人や傷害致死など一定の重大犯罪について、地方裁判所での裁判で行われ、裁判官3人と裁判員6人が証拠を基に話し合い、被告が有罪か無罪かさらに量刑を決めるというものです。
この制度も裁判所から選任の案内を受けながら、辞退する割合は開始当初から年々上昇しています。2009年の53%から、昨年はおよそ7割近く(67%)まで上がっているとのことです。
一つには審理期間の長期化があるようですが、難しい裁判や量刑が重くなる裁判などでは当然期間が長くなります。初公判から判決までの審理期間は、昨年の平均が10.8日で、この制度開始当初の3.7日のおよそ3倍と長くなっています。
最高裁が民間に委託して行った調査では、審理予定日数の増加が辞退率上昇に関係している可能性が高いと指摘しています。
私がこの裁判員制度に批判的な理由は、まず司法の場に素人が入ることによって、裁判の公平性が損なわれるような気がします。
裁判の公平性と言ってもいろいろありますが、一つはある事件の判決が裁判官によって異なることはない、つまり若干の個性はありますが司法のプロである以上、誰がやってもこの犯罪はこの量刑という結果が出るはずです。
やさしい裁判官で軽くなり、厳しい裁判官では重い刑などという事はあってはならないことです。ここに素人の国民が入った場合、いくら裁判官の指導で決めるといっても、集まった人たちの意見に左右されかねません。これで本当に裁判の公平性が保たれるのでしょうか。
もう一つは、国民感情的な要素を入れると、ひどい事件と感じれば当然量刑が重くなる傾向が出るはずです。裁判員の人たちは初めての経験ですので、残虐な現場写真などで印象が決まり、比較するという事はできませんので、いくら裁判官が指導しても限界があると思われます。
ですから裁判員裁判での死刑判決が、高裁で覆されることが多くなるのは当然の成り行きのような気がします。
始まって10年で見直しが行われるかもしれませんが、こういった基本的なことは改善しようのない、あまり良くない制度と思っています。
司法を身近に感じてもらうとか、判決に国民の感覚を入れるとかを目標に始まりましたが、昨年までに1万1千件以上、9万人近くの人が裁判員を経験しましたが、市民からは「人の判決を決めるのは荷が重い」、「制度がよく分かっていない」などの声が聞かれるようです。
私はこの制度については当初から批判的でしたが、裁判員にはなってみたいと思っていますが、未だ声がかかったことがありません。
裁判員裁判は原則として殺人や傷害致死など一定の重大犯罪について、地方裁判所での裁判で行われ、裁判官3人と裁判員6人が証拠を基に話し合い、被告が有罪か無罪かさらに量刑を決めるというものです。
この制度も裁判所から選任の案内を受けながら、辞退する割合は開始当初から年々上昇しています。2009年の53%から、昨年はおよそ7割近く(67%)まで上がっているとのことです。
一つには審理期間の長期化があるようですが、難しい裁判や量刑が重くなる裁判などでは当然期間が長くなります。初公判から判決までの審理期間は、昨年の平均が10.8日で、この制度開始当初の3.7日のおよそ3倍と長くなっています。
最高裁が民間に委託して行った調査では、審理予定日数の増加が辞退率上昇に関係している可能性が高いと指摘しています。
私がこの裁判員制度に批判的な理由は、まず司法の場に素人が入ることによって、裁判の公平性が損なわれるような気がします。
裁判の公平性と言ってもいろいろありますが、一つはある事件の判決が裁判官によって異なることはない、つまり若干の個性はありますが司法のプロである以上、誰がやってもこの犯罪はこの量刑という結果が出るはずです。
やさしい裁判官で軽くなり、厳しい裁判官では重い刑などという事はあってはならないことです。ここに素人の国民が入った場合、いくら裁判官の指導で決めるといっても、集まった人たちの意見に左右されかねません。これで本当に裁判の公平性が保たれるのでしょうか。
もう一つは、国民感情的な要素を入れると、ひどい事件と感じれば当然量刑が重くなる傾向が出るはずです。裁判員の人たちは初めての経験ですので、残虐な現場写真などで印象が決まり、比較するという事はできませんので、いくら裁判官が指導しても限界があると思われます。
ですから裁判員裁判での死刑判決が、高裁で覆されることが多くなるのは当然の成り行きのような気がします。
始まって10年で見直しが行われるかもしれませんが、こういった基本的なことは改善しようのない、あまり良くない制度と思っています。
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