ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

転移の確率の高い食道ガン

2019-07-19 10:26:52 | 健康・医療
消化器系のガンの中でも、検診の対象となっている胃ガンや大腸ガンに比べて、食道ガンは認知度が低いようです。

私はずいぶん昔になりますが、友人の父親が食道がんで亡くなっていますので、若干気になっているガンと言えます。

食道ガンは、咽頭直下から胃の直上にかけての食道に発症するため、頸部のリンパ節などを通して他の臓器に転移する確率が高く、厳しい結果に至ることが少なくありません。発病率は10万人当たり17.9人で50代から増加し始めて70代にピークとなります。

ほかのガンとの併発も多く、進行すると治癒率(5年生存率)もあまり高くありません。国立がん情報センターによると、食道ガン患者の5年後の平均生存率は全体で43.3%、進行度合い別でみると、早期の1期で86.3%ですが進行期の2期が56.3%、3期で29.3%、多臓器転移を含む4期で12.4%となっています。

現在食道ガンに絞ったガン検診はありませんが、内視鏡による胃ガン検診では通常食道から胃、十二指腸までカバーします。結果として食道の小さな凹凸の不整だけでなく、組織の色調変化等によりガンと疑わしい早期の兆候を発見することができます。

近年は胃ガン検診に内視鏡検査を含める市区町村も増えていますので、内視鏡検査による食道ガンの早期発見の増加も期待できるようです。

日本人の食道ガンのほとんどは、扁平上皮ガンという種類で、特徴的な血管がみられるため、内視鏡検査によって腫瘍がガンかどうかをすばやく診断することができます。

さらに内視鏡による利点があり、経口内視鏡に期待されているのが早期ガンに対し、患者負担の少ない「低侵襲手術」が可能なようです。

食道ガンの通常の手術では、胸と腹部の皮膚を切開して腫瘍を切除し、転移・再発を防ぐために頸部から腹部までのリンパ節を取り除いたうえで、切除した食道の代替として胃の上部を筒状に形成して頸部に引き上げるのが一般的です。

これは傷口も大きく、胃を引っ張り上げるために胃の機能が損なわれ、日々の食事などにも大きな支障が生じます。また喉に近い部位の腫瘍では発声機能や物を飲み込む嚥下機能にも影響が及んでしまうようです。

一方口から手術用の内視鏡を入れる経口内視鏡手術については、食道の粘膜の深い部分に浸潤していなければ、直径5~6センチで食道表面に張りついているような腫瘍でも切除できます。

これは内視鏡診療で胃などの小さなポリープを切除することと同じなので、患者の負担は極めて少なくなります。今まで一度も内視鏡検査を受けたことない私が言うのもおかしいのですが、やはりある年代を過ぎたら内視鏡検査を受診する必要があるようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿