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難治性喘息に新治療 気管支サーモプラスティ

2018-02-05 10:41:34 | 健康・医療
喘息の新しい治療法として、「気管支サーモプラスティ」が注目を集め、全国100カ所以上の病院で400を超える実施例があるようです。

私も喘息と診断され発作を抑える吸入薬を使っていますが、もう何年も発作が出ることもなく軽い方ですが喘息の治療というと若干興味があります。

喘息は、慢性的な気道の炎症により気管支平滑筋が収縮し、気管支の狭窄が引き起こされる病気です。吸入ステロイド薬を中心とした薬剤を日常的に服用する予防治療で、喘息発作の抑制は高い率で可能となっています。

ところが喘息治療のガイドラインに沿った治療を行っても、喘息発作を抑えられない難治性喘息が10%程度存在します。この難治性で18歳以上の患者を対象にするのが、気管支サーモプラスティで2015年から保険適用となりました。

この治療法は基本的には気管支の壁の平滑筋を加熱して収縮しないようにするものです。右の肺には上葉、中葉、下葉があり、左の肺には上葉と下葉があります。気管支サーモプラスティでは左右の上葉と下葉の平滑筋を加熱します。1回治療すれば3週間以上間隔をあけ、症状が安定していることを確認して次の治療を行います。

具体的な治療法としては、ステロイド内服薬の投与を行いながら治療の前日に入院し、全身状態が安定していることを確認します。翌日の治療では、全身麻酔下で口から気管支鏡を挿入し、先端から治療用のプローブを気管支内に進めていきます。プローブの先端は4つのワイヤに分かれ、それらを気管支の内側に当てて高周波電流を流し、65度で10秒間加熱します。

1カ所終了すれば、気管支鏡を動かして治療を進めていきます。平均で下葉は左右各約50ヵ所、上葉は左右合計70ヵ所を加熱します。

この方法の問題点は、治療後大半の症例で喘息が一時的に悪化するようで、この対処が必要になります。ひどい場合は数日間酸素吸入が必要な人も出るようです。肺機能が治療前の8割程度まで回復するのを待ち退院となり、通常1週間程度の入院となるようです。

こうしてみると何か怖い治療法のような気もしますが、治療後は徐々に喘息症状の緩和が得られ、効果が得られる患者は7割ほどといいます。ステロイドの内服薬や分子標的薬を止められるような、極めて高い効果が得られた患者も出るようです。

ただ現時点ではサーモプラスティが有効な患者を事前に見極める方法がないようですが、この様な新しい治療法で喘息に苦しむ人が少しでも減ることを期待しています。日本ではまだ2年ほどしか実績ないので、これから有効性や安全性が明らかになっていくのかもしれません。


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