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アメリカザリガニで蚊が増加

2018-09-14 10:39:31 | 自然
日本でも侵略的外来種として扱われているアメリカザリガニが、人間にとって有害であるということが発表されました。

アメリカザリガニは外来種といっても、私が子供のころから釣りの餌として使っていました。それが毒性の強い農薬の使用によりほぼ駆逐されてしまいましたが、農薬規制により水辺に生物が戻ってきたのが私の息子が生まれたころでした。

子供たちが小学生ぐらいには完全に生態系が戻り、まだ近くには田や小川がたくさんありましたので、バケツ一杯ザリガニを取ってきたりしていました。

アメリカザリガニの原産地は米国南部の沼地ですが、現在ではオーストラリアと南極を除くすべての大陸に広がり、生態系を乱し在来種の脅威となっています。

昔からアメリカザリガニの脅威としては、穴を掘ることで土の堤防などに被害が出たり、水草を食べてしまい澄んだ湖沼が濁ってしまうなど指摘されていました。当然その土地原産のザリガニを駆逐し生態系が乱れるということもあります。

今回の研究を発表したカリフォルニア大学の研究グループは、ザリガニの駆除が目的のようでした。この時ザリガニがいる場所ほど蚊の幼生も多いことに気が付きました。ザリガニがいる場所では、トンボの幼虫であるヤゴがほとんど見つかりませんでした。

ヤゴは主なエサが蚊の幼生(ボーフラ)で非常にたくさん食べるようです。研究グループは、サンタモニカ山地で13カ所の川を調査した結果、ザリガニのいない川にはヤゴがたくさんおり、蚊の幼生は少なく、その逆でザリガニのいる川では蚊の幼生が多くヤゴが少ないということが確認できました。

研究グループはこの状況を調べるため、ザリガニとヤゴ、蚊の幼生を異なる組み合わせで入れてみました。ヤゴは単独では蚊の幼生をよく食べましたが、ザリガニと同じ水槽に入れると奇妙な行動をとりました。

当然ザリガニはヤゴを捕食しますが、ザリガニがいるだけでヤゴは「恐怖の光景」と呼ばれる状態に陥りました。これは自然界ではよくあることで、例えばイエローストーン国立公園にオオカミが戻ってきたとき、用心深くなったシカが食事のパターンを変え、若い芽をあまり食べなくなり、植物の背丈が高くなったりしました。

このようにザリガニがいることで蚊が増えるのが確認されましたが、こういった方向から人間の病気のリスクが増えるということもあるようです。

ただザリガニは悪い面ばかりではなく、ケニアでは住血吸虫症を引き起こす寄生虫の中間宿主である淡水生の巻貝をザリガニが食べるため、感染例が減っているという報告もあるようです。

この様に外来種が生態系を乱すと、予想外の現象が起きてくるという点でも自然というのは面白いものです。

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