内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

アルザスからベルクソン国際シンポジウムへ向けて

2013-09-30 00:30:00 | 雑感

 今朝(29日)、アルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)で朝食を済ませた後、女性職員の1人がコルマールまで車で送ってくれる。車中、彼女がヨーロッパ中世、特に10世紀における衣服の研究をしている修士の学生で、同じテーマで博士課程まで進みたいと思っていることがわかり、どうしてそのようなかなり特殊なテーマに関心を持つに至ったかのか、CEEJAでの仕事の面白さや大変さなど、わずか20分足らずだったが、車中の会話であれこれ話すことができて楽しかった。
 この研究所の至れり尽くせりのもてなしにはいつも感心させられる。地元経済界による強固な財政基盤の上に設立され、広大な敷地と充実した設備を持ち、有能で実に感じのよいスタッフたちがすべての企画をその全体にわたってそれぞれの企画の目的と性格を考慮しつつしっかりと支える。参加者たちはみなまた戻ってきたくなる。今年、日本の外務省からその活動が表彰されたのも、だから、十分にそれに値すると言っていいだろう。
 午前11時過ぎにはパリ東駅に到着。正午には自宅に帰り着く。荷物を整理し、洗濯もすぐに済ませる。これで今回の研究集会への私の関わりにはピリオドが打たれた。明日からまた講義の準備で忙しくなるが、同時に11月のベルクソン国際シンポジウムの小林原稿の仏訳の再開と自分の発表原稿の作成にも取り掛からなくてはならない。休んでいる暇はない。しかし、この世に留まることを許されているかぎりは為すべき仕事があるという精神の充溢と緊張を、今、感じている。