こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

音盤日誌:矢野顕子「春咲小紅」1981年

2021-02-03 21:00:00 | 音楽帳

日々、春と冬が押し合いへし合い、おしくらまんじゅう。

1月も真ん中を過ぎると春の陽気が顔を出し始め、今ではすっかり梅や春の芽をあちこちで見るようになった。
通院や治療中の移動の楽しみは、そんな春らしい匂いと景色の断片に出会うこと。

つい春の温もりに気が緩んでしまう日昼。
・・・しかし、それにいい気になって薄着で防寒対策をおこたると、日没後の冷え込みにやられる。
「疼痛家」のわたしはとたんにやられてしまいます。
特に寒暖差きつい時期だから、要注意なのです。

・・・こんな三寒四温を繰り返しながら、どんなことがあろうと、次の季節=春爛漫に間も無く移ろって行きます。

***

70・80年代だったら、こんな時節は、春をテーマにした化粧品やファッションのCM広告が、テレビに雑誌に花盛り。
永遠に古くならない当時のCMを見ながら、なつかしさと甘酸っぱさを覚えます。
日本が日本らしかった良き時代のまぶしさ。それには、今でも胸がおどります。

欺瞞に満ちてしまった人間や世間にうんざりしたら、こんなCMと音楽を浴びて心身を浄化させる。
毎年聴く春の1曲。その定番の1つは、今でも矢野さんの「春咲小紅」なのです。


■カネボウ「レディ80 ミニ口紅」CM■




■矢野顕子「春咲小紅」'81.2.1■

作詞:糸井重里
作曲:矢野顕子
編曲:ymoymo

アッコちゃんは、この1981年春の大ヒットを翌年(1982年)振り返って、「ヒットの最中、もう音楽なんかどうでも良いかなあ、と言う気持ちになった」という。ピーター・バラカンさんとのFM放送で、そう言っていた。

大ヒットしたら、ある日突然身の回りが一変してしまう、誤解が大いにある評価も人の態度も・・・。よくあることだろう。
わたしは、勝手にそんな想像をした。
いつの間にか友達や知り合いや恩師やら・・・色んな「知らない知り合い」が現れたり。面倒くさかっただろうな・・・、と勝手に想像してしまう。

そして、その潮が引いたら、また、世間の顔は「そんなことありましたっけ?」と白々しい能面顔をして、見える風景は一変している。
YMOが巻き込まれた災難にアッコちゃんも同じく遭遇させられたんだろうな。。。賢い彼女にはそんな程度の事態は想定内だったでしょう。

でも、このヒットのおかげで、続く作品「ただいま」「愛がなくちゃね」という名盤のレコーディングに費用を費やせられたのかもしれない、などと思ってみる。プロフェッショナルな音楽家・矢野顕子が、いわゆる「売れる」ことにまったく野心も関心も無い事は、当人も聴くファンも分かり切ったことだった。

そのいっぽうで当時「燃える心のYMO少年」であったわたしは、TV番組「ザ・ベストテン」にアッコちゃんが出演する、という日。
始まる前からテレビ前に座って心の準備をしていた。
1980年ワールドツアーに同行した大村憲司・幸宏・教授(坂本龍一)たちと出演して「春咲小紅」を演奏したのはたった数分。

それはあっという間だった。
歌詞に「わたしのココロ ふわふわ舞い上がる~」とあるが、その数分間、興奮し過ぎて「舞い上がっていた」のはわたしの方でした。



「春咲小紅」
春咲小紅 ミニミニ 見に来てね
わたしのココロ ふわふわ 舞い上がる

いつ咲くかしらと 待ちぼうけ 指折り数えて いたかしら
お返事出します 微笑みのどこかにポチッと赤い色
わたしに逢えばわかります
自分で言うのも ヘンだけど 今日はなんだかキレイです

春咲小紅 ミニミニ 見に来てね
陽だまりかげろうユラユラ 春の夢

春咲小紅 ミニミニ 見に来てね
ガラスの花びん キラキラ 午後の星

春夏秋冬 そして春 やさしいあなたを見つめてた
お返事おくれてごめんなさい、窓の景色もとりかえて
あなたがくるのを待ってます
自分で言うのも ヘンだけど 今日はなんだかいじらしい

春咲小紅 ミニミニ 見に来てね
思い出回る くるくる かざぐるま
春咲小紅 ミニミニ 見に来てね
わたしのココロ ふわふわ 舞い上がる
春咲小紅 ミニミニー 見に来てね
わたしのココロ ひらひら 踊ってる



コメント
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