二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

駒を造っている二胡友たちへ、

2018-05-15 15:23:13 | ■工房便り 総合 
たぶん駒を造ったことのある方は、男性ならほぼ全員。

女性でも二胡愛好家の1割くらいの方は何らかの形で、駒を造ったことがあると思います。

中には鉛筆の芯を抜いて短く切って作ったり、

中には金属アルミや真鍮などで作ったことがある方もいます。

すごいのは、炭を使った駒でしょうね。

崩れなかったのでしょうか。

崩れやすい炭は、一度膠の液に全体を付けると、炭は固まりますが、

音はどうなるのかはわかりません。

材料はともかく、一度この形試してみてください。



そう横長なのです。

富士山の裾野のイメージですね。

この駒、原型は、三味線や、モンゴル系の二胡の駒に基づいています。

比較的音の出にくい中胡や、

中には普通の二胡でも、

高音が出にくくなるほど柔らかくなった皮に向いています。

そのために作ったのですが。

あるお客様の依頼で、低音も出るし、高音もまあまあ、

でも内弦の中音域などがほんらいのF調でよく使うところが、良く鳴らないというか良い音色に鳴らない。

これ色々調べて、皮の内弦側の皮だけが固く、外弦のほうは普通に育っていたのです。

これは皮の各場所を触ってみるとわかります。

全体にきれいに平均的に柔らかくなった皮はとても良い音色で響きます。

ところが蛇はとぐろを巻きますから、どちらかに偏る場合が多いのです。

蛇皮を加工して伸ばして張ろうとするとき、一回の伸ばしだけでは、きれいに平均しては伸びません。

まだ皮が濡れている間にゆっくりと、じわじわと伸ばしていかないと、

この方側だけに偏った皮というのが出てきてしまいます。

張ったばかりの時にはそれほど気が付かないのですが、

しばらく弾き込んだ後から、片側だけが伸びてくるなどというのはかなり多いことなのです。

この時にこの横長(22mm以上、最大は35mmくらいまで試したことがあります)

の駒はとても有効です。

全体に振動させようとするからかもしれません。

これは皮の硬さの状態で弾きながら長さをコントロールしていきます。

長すぎると、全体に音のボリュームが落ちます。

その辺は皆さんが弾きながら長さを決めてください。

こんな形、と思われる方もいるでしょうが、

現実にモンゴルの人はみなこの形を最初からつけているという事です。

やってみてください。

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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
KNさん (nisino)
2018-05-17 19:50:07
お役に立てたようでよかったです。最近は駒を造る時間がなくて、二胡姫さんの通販も中止しました、まあそれもありますが、やはり駒は一台一台の皮に合わせるべきものだと、考えを変えたのですが、松富士相性が良くて良かったです。これからの湿度の高い時少し強めにガンガン引いてやってください、そしたら冬前ぐらいには、音色中心の駒に替えられるかもしれませんよ。
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松富士駒に助けられました! (K.N)
2018-05-17 10:22:32
お世話になります。二胡を下手ながら練習しております。私の二胡は、この駒で劇的に響きがよくなり、よく鳴る二胡に変身しました。購入して4年、一度も満足な音が出なかったのに、松富士駒に変えてびっくり、素晴らしい音色になりました。材はアフリカ紫檀で皮もいいものだと思いますが、駒、弦、フェルト、千金等いじり倒しましたが駄目で違う二胡の購入も考えました。本当に駒の相性があるのですね。ありがとうございました。今はこの二胡を弾くと癒されます。
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