普通二胡はどのように値段が決まっているのかという話です。
基本的に木の値段と、皮の値段そして最終的には、楽器としての性能が基準となるのでしょう。
中国では二胡に使う木の中で、紫檀系(チンチャン、インドローズ、コウキ、マダガスカルローズ)などは基本的には、1キロ単位での値段になります。
重さで決まるのです。
黒檀系もやはりキロ単位で値段が決まります。
花梨やパドウクなどはこれは日本と同じで、体積で決まります。
比較的大きな木があるからだと思います。
紫檀黒檀などの重い木は、楽器にしたときにその音が重厚感が出ます。
ですからそれらに張る蛇皮も、それを活かすような厚めの皮を張ります。
蛇皮の一番厚いのは、尻尾に近い部分です。
この部分の3枚くらいは比較的度の蛇でも厚いものです。
当然5歳の蛇より8歳の蛇の方が全体としての厚みは有ります。
ただ、蛇皮の養殖と言う経済性から考えると、4、5歳の蛇が一番多くなります。
ホントに厚い、7歳から9歳の蛇は大きいですから、餌代も馬鹿にならないのだと思います。
ですから、費用も極端に高くなります。
良い木(ホントの紫檀黒檀)には、当然この6歳以上の蛇皮を使うか、
或いは4、5歳でも厚めの皮を選ぶことになります。
それらの皮の厚い部分を先ず良い木に取っておいて、それ以下の多少薄めの皮は量産品に使います。
では、この皮が厚い薄いというのは何か基準の厚みがあるのかと言うとそう言うわけでは有りません。
各メーカーや工房の、感覚でしか有りません。
ただ言えるのはどの工房もメーカーも、厚めの皮は良い木に張るということは変わり有りません。
ですから本物の、黒檀紫檀で有りさえすれば、かなり厚めの皮が張ってあります。
問題は北京系でしょう。
北京系の二胡は、音のボリュームを重視するところから、振動が大きくなるように、皮をかなり薄くまで削ります。
厚めの皮は元々がしっかりしていますので、薄くしたとしても音に芯が有ります。
最初から薄い物とは違います。最初から薄い皮は音が止まらないのです。
キレが悪い楽器になってしまいます。
本来厚い物を薄く削ってありますので、良く皆さんが皮が厚いかどうか確認する方法の後ろから光を透かして見ても厚みは解りません。
叩いてみるのが一番わかりやすいのですが、これには相当な慣れが必要だと思います。
でも、この北京系も芯のある厚い皮を薄くして使うのですが、やはりホントに良い木には、厚めの芯のある皮を削って使います。
ですから二胡の値段と言うのは、ホントに良い木を使っているかどうかで決まってきます。
最近は良い木がなかなか無いという演奏家の方がいらっしゃいます。
同じ黒檀紫檀で良い木悪い木と言うのが有るのでしょうか?
これ、あるのです。
昔は、良い木が有ったというのは、太い木が有ったからです。
紫檀黒檀と言うのは育ちの悪い木です。
多分100年で20㎝直径ぐらいにしかなりません。
ちなみに私が良く使う胡桃などでしたら、60㎝位にはなりますし、杉なら70センチぐらいにはなるでしょう。
木には芯の部分が有ります。その芯の部分は周りより硬く、かなりの木がひび割れを起こします。
20センチぐらいの黒檀の芯の部分を除くと使えるのは片側で5,6センチぐらいきり有りません。二胡の胴を取るのにいっぱいの寸法です。
上手く取れない場合は芯の部分の硬いところが入ってしまったりもします。
二胡の胴の一枚の木の6㎝が無理なく良い材で取るためには、直径で最低でも40センチぐらいは欲しいのです。
これは多分400年以上の木だと思われます。
皆さんは柿の木の40センチ以上有る物を見たことが有りますか?
そんな太いのはなかなか有りません。
殆どが20センチくらいだと思います。(日本では柿の実を取るように育てますから余計太くはならないのですが)黒檀は柿科なのです。
木場にもこれほどの木は殆ど見つかりません。
そう言う意味で良い木がなかなか無いというのかもしれないのです。
二胡は良い木で作られているかどうかが、金額の基準になると思います。
西野和宏
基本的に木の値段と、皮の値段そして最終的には、楽器としての性能が基準となるのでしょう。
中国では二胡に使う木の中で、紫檀系(チンチャン、インドローズ、コウキ、マダガスカルローズ)などは基本的には、1キロ単位での値段になります。
重さで決まるのです。
黒檀系もやはりキロ単位で値段が決まります。
花梨やパドウクなどはこれは日本と同じで、体積で決まります。
比較的大きな木があるからだと思います。
紫檀黒檀などの重い木は、楽器にしたときにその音が重厚感が出ます。
ですからそれらに張る蛇皮も、それを活かすような厚めの皮を張ります。
蛇皮の一番厚いのは、尻尾に近い部分です。
この部分の3枚くらいは比較的度の蛇でも厚いものです。
当然5歳の蛇より8歳の蛇の方が全体としての厚みは有ります。
ただ、蛇皮の養殖と言う経済性から考えると、4、5歳の蛇が一番多くなります。
ホントに厚い、7歳から9歳の蛇は大きいですから、餌代も馬鹿にならないのだと思います。
ですから、費用も極端に高くなります。
良い木(ホントの紫檀黒檀)には、当然この6歳以上の蛇皮を使うか、
或いは4、5歳でも厚めの皮を選ぶことになります。
それらの皮の厚い部分を先ず良い木に取っておいて、それ以下の多少薄めの皮は量産品に使います。
では、この皮が厚い薄いというのは何か基準の厚みがあるのかと言うとそう言うわけでは有りません。
各メーカーや工房の、感覚でしか有りません。
ただ言えるのはどの工房もメーカーも、厚めの皮は良い木に張るということは変わり有りません。
ですから本物の、黒檀紫檀で有りさえすれば、かなり厚めの皮が張ってあります。
問題は北京系でしょう。
北京系の二胡は、音のボリュームを重視するところから、振動が大きくなるように、皮をかなり薄くまで削ります。
厚めの皮は元々がしっかりしていますので、薄くしたとしても音に芯が有ります。
最初から薄い物とは違います。最初から薄い皮は音が止まらないのです。
キレが悪い楽器になってしまいます。
本来厚い物を薄く削ってありますので、良く皆さんが皮が厚いかどうか確認する方法の後ろから光を透かして見ても厚みは解りません。
叩いてみるのが一番わかりやすいのですが、これには相当な慣れが必要だと思います。
でも、この北京系も芯のある厚い皮を薄くして使うのですが、やはりホントに良い木には、厚めの芯のある皮を削って使います。
ですから二胡の値段と言うのは、ホントに良い木を使っているかどうかで決まってきます。
最近は良い木がなかなか無いという演奏家の方がいらっしゃいます。
同じ黒檀紫檀で良い木悪い木と言うのが有るのでしょうか?
これ、あるのです。
昔は、良い木が有ったというのは、太い木が有ったからです。
紫檀黒檀と言うのは育ちの悪い木です。
多分100年で20㎝直径ぐらいにしかなりません。
ちなみに私が良く使う胡桃などでしたら、60㎝位にはなりますし、杉なら70センチぐらいにはなるでしょう。
木には芯の部分が有ります。その芯の部分は周りより硬く、かなりの木がひび割れを起こします。
20センチぐらいの黒檀の芯の部分を除くと使えるのは片側で5,6センチぐらいきり有りません。二胡の胴を取るのにいっぱいの寸法です。
上手く取れない場合は芯の部分の硬いところが入ってしまったりもします。
二胡の胴の一枚の木の6㎝が無理なく良い材で取るためには、直径で最低でも40センチぐらいは欲しいのです。
これは多分400年以上の木だと思われます。
皆さんは柿の木の40センチ以上有る物を見たことが有りますか?
そんな太いのはなかなか有りません。
殆どが20センチくらいだと思います。(日本では柿の実を取るように育てますから余計太くはならないのですが)黒檀は柿科なのです。
木場にもこれほどの木は殆ど見つかりません。
そう言う意味で良い木がなかなか無いというのかもしれないのです。
二胡は良い木で作られているかどうかが、金額の基準になると思います。
西野和宏