二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

全ての二胡はバランスが大切。皮の張替えのお勧め!

2023-11-29 09:15:25 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
このところ、ずーーーとヴァイオリンの制作というより下書きをしてきています。勿論制作も。

沢山のヴァイオリンの形と鳴り!を見比べてきて思うのは、形のバランスかな・と。
二胡も同じかもしれないと、同じ種類の物を30ヶ以上も作って来た里地帰君の和胡をこの際いくつか違うバランス、特に胴の木の厚みそして形状を変えて作ってみました。
今更とは思うのですが、最初のころの和胡(欅の二胡)は他の紫檀の二胡や黒檀の二胡と同じ形状同じ重さのバランスで作っていたのです。
今回胴の前(皮の張ってあるほう)そして後ろ(花窓の近く)の重量比というか木の厚みを変えて作ってみたのです。
なにしろ胴に張るのはCDM(和紙の人工皮)ですから、蛇皮の一枚一枚違うという変化はないです.。もちろん和紙ですから多少それぞれの重さは違いますが。
通常、紫檀黒檀の胴の厚みは一番薄いところで6ミリです。少し比重の小さい欅ですから少しだけ厚くして7ミリにして作ってきています。
前の方は厚いところで14ミリ後ろの方も14ミリです。
これを12ミリと16ミリに変えてみました。
後ろの方を16ミリにすると低音弦はとても強く鳴りますが、外弦が弱くなります。
そして、Eの音がとんでもなく裏返るのです。
次は前を16後ろを12ミリにすると高音は本当に良く鳴るのですが、今度はGの音が裏返ります。裏返るというより出なくなります。
そしてどちらの場合も開放弦がかなりの雑音になります。
このような時、厚みの厚い方を削って合わせると裏返り音も消えて音色も良くなるのです。
そこでこれらの方法を中国の二胡に適応できないかという事もやってみたのですが、出来ないですね。
一つにはもうギリギリまで削り込まれていて、これ以上削り込むとそれこそ楽器ではなくなる感じまあ言ってみればかなり軽薄な音になってしまいます。
そこで削る音は無理として、厚みの足りない方を厚みを増やすとこれらの雑音は消えていくのです。
このところ続けてそのような楽器の修理をしてきました。
とても良い小葉紫檀と本紫檀です。しかし前の方の厚みを増やすにはどうしても皮を張り替える時でないと作業が出来ず、2台とも皮を張り替えたのです。
s「最奥の二胡にしてください」とのことでしたので、二台とも天然皮の厚みのあるものを使いました。
多分ご希望に添えたと考えています。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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