二胡工房 光舜堂

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二胡作りへ繋がる道、その2

2010-07-15 14:37:24 | ■工房便り 総合 
時々、というよりかなり、と言った方が良いのかもしれません。

二胡ってなんですか?

始めてお会いした方、あるいは、以前から知人達にも聞かれることが多いのです。

こんな時皆さんはどうやって説明しますか?

私は、一番理解してもらえそうな、イメージ、

ホラ、女子十二楽房の中で、バイオリンみたいに、弦を弾いている楽器あるでしょう。

とか、

映画、「もののけ姫」の中で、、弾いていた弦楽器ですよとか、

歌舞伎の中で使われる、胡弓や、富山の風の盆で弾いている、胡弓の仲間ですよ

音もあれに近いですかね。

等、等、なるべく相手の記憶にありそうな近いもので、思いだしてもらうようにしています。

でも、その説明は二胡の説明にはなっていませんよね。

それは、説明する方も、それを受ける方も、単なる漠然とした画像でしかないからです。

自分はこのように見えているが、説明受けた方は、自分と同じように見えていないのかもしれません。

「地図は、地球そのものでは無い」

22才の時、この言葉に出会って、衝撃を受けました。

確かに、地図は、地球のある一面を、形にはしています。

ところが地球は、立体です。

それを、平面の地図に落とし込む時、その目的によって地球は、ゆがめられています。

マダガスカルとグリーンランドの大きさの比較を、今、頭の中でやってみてください。

10倍以上の差がありますか?

とすると貴方の頭の中にある地図と言うのは、メルカトール図法で書かれた地図かもしれませんね。

実際にはグリーンランドは、マダガスカルの4,5倍くらいです。

このように、立体の地球を平面に起こすと、必ずどこかが、歪んでしまいます。

ですから地図は目的をもった上で選択して使わないと、たまに、とんでもない間違いをすることも有ります。

もし、貴方の頭の中に、メルカトール図法の地図以外なかったとしたら、

今の質問のような、正確な各国の面積の比較というのは出来ませんね。


あるバーへ友人と行った時、友人が、まだ新人のアルバイトでしょうね、可愛らしい女の子に、

「ビール、グラスでね」

驚いたことに、でてきたのは、ハウスワインの物と思われる縦長のワイングラスに、入った

ビールでした。

その店は、本格的なドイツビールが売り物で、普通は、陶器や、ピューターのジョッキを使っています。

たまたま友人は、ガラス越しのビールの泡を見たかったのかもしれません。

それでグラスジョッキと言ったつもりだったのでしょうが、

彼女としては、あえて言われたのだから、グラスワイン用に注いだのでした。

こんなことは日常茶飯事ですね。

でもこれは会話で、他の人とのやりとりですが、

このようなことは、貴方自身の中でも無いでしょうか?

ですから、私が二胡作り始めた時にやった最初の事は、先ず、楽器屋さんに行って、

二胡と言われる楽器達を見て回り、弾いて回ったことです。

先ず自分の中に、形と音色だけでも具体化しようとしたのです。

22才の時に出会った、「地図は、地球そのものではない」という言葉

この時から、私は、あらゆることに、実態に如何に迫るか、

言われたこと、伝えられてきたこと、教わったこと、ではなく、自分自身が、確認できる方法という物を、見つけ出さない限り、

私の頭の中には、複数枚の地図はあるけれど、地球そのものを把握していない状態なのだと、気がついたのです。


さて、考えるというのは、どういうことなのでしょう、?

考えるというのはどのように頭の中で行われているのでしょう。

考えるというのは、言語によってなされているといってよいと思います。

その言語を教えてくれた最初の人は、両親でしょう。

おいしいね、御飯だよ、熱いいから触らないのよ、

こんにちは、さようなら、そうそう良く出来たね、良い胡良い子、

と、言葉と、日常的な価値観、更には、両親の持っているあらゆる価値観を、子供は教え込まれていきます。

これは、両親の良いとする、地図を持たされたのと同じようなものではないでしょうか。


続く

西野和宏

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