二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

知っていてほしいこと。この様な事もありうるのです。

2020-03-22 13:54:32 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
皆さんは全く疑わずに、お手元の二胡は、良く作られている、と考えていると思います。

きちんとできていて、当たり前の世界に住んでいますから。

でも二胡の世界にはこのようなこともありうるのです。



これ、先端が色が違います。

継足したんですね。

同じパリサント(緑檀)ではありますが、シラタの部分、要するに普通は使わない柔らかいところを継ぎ足してあります。

一応穴を掘って、印籠造りにはしてありますが、すでにぐらぐらです・

基本的に、この部分を継ぐというのは、木工や、特に、二胡屋の場合は考えにくいのです。

この分が、胴の下と台に支えられて、棹の荷重がかかるところですから、

揺れると、調弦ができないのと、弾いていても音程が不安定になります、

いずれは、緩んできて壊れるでしょう。

以前からいいますように、台の中の胴を受ける板や、中の、重りとしてつぃている金属が外れてしまうことなど、

台の中には色々不具合が多いです。

外側は綺麗に出来上がっていても、ぴっかぴっかに磨いてあるからと言って、

楽器としてはどうなのよ?というものもあります。

基本的には、二胡は全て部材が、ボンドあるいは膠で張りつけられたものです。

膠やボンドが劣化すれば、必ず不具合が生じます。

でも、それは当然なのです。

それを直して直して、使っていくのが、木でできた楽器の扱い方です。

中には、頭が取れた胴にひびが入ったなどということも多きにありますし、

間違いなくみんなさんの二胡にもそのようなことがいつかは、現れてきます。

その時にきちんとした木工技術というのが必要なのですが。

表面的に直すことばかりが修理屋と思われている、まだまだ現状なのです。

こうやって直しましたきれいになりました、と言われても皆さんとしてはそんなものか、と考えると思います。

しかしこのようにほかの部材を付けたなどという時には、どこかしらに不具合、

それも音に現れます。

どうしても鳴りやまない雑音、

止まらない裏帰り音、

安定しない調弦、

押し弓と引き弓とで音程が変わる、などということも出てくるでしょう。

通常はこのことは弦の劣化に原因があります。

しかし今度の様な事もありうるのです。

楽器の修理というのは、楽器として健全になるようにするのが修理です。

そうでないかどうかを見分ける大切なことがあります。

それは皆さんが二胡をたくさん弾いて、今の状態、新しかった時の状態そして、ほかの人の二胡

などなど沢山弾いてみて、良い音を追求すれば、良いのではないでしょうか。

二胡を見ただけで不具合が分かるなどというのは、二胡を作ってみないと難しいことですが。

皆さんが我が胡の音にきちんと耳を傾ければ、なんかおかしい、どこか具合悪い?

と、理解できるようになるはずです。

たくさん弾いてやってください。

(それから、この画像をこのブログに乗せることに、二胡弾き皆さんの為になるならと、ご協力いただいた、Tさんに感謝いたします)






















このようなこともありうるのです
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