人工皮と言いますとまず二胡業界では、ジョージガオさんの、二胡が思い出されますね。
二胡の人工皮は、中国でも様々な材料で制作されています。
ジョージガオさんの二胡の人工皮にしても、この十年で様々な種類に代わってきています。
また香港の合奏団などでは、人工皮の二胡が多く見受けられますね。
一番多く使われているのは、ポリエステルの布地を使ったものでしょう。
これは日本の三味線尚に使われています。胡弓も同じですね。
沖縄の三線も同じポリエステルの布地です。ポリエステルの布地にエポキシ樹脂を含侵させたものです。
そのほか、洋楽器のドラムの皮には、透明なポリエステルのフィルムを多層に張ったもなどが使われています。(ほかのプラステイックの物もあります)
これらの人工皮の共通した難点は徐々に伸びていってしまうことでしょうか。
この点では天然の牛革や馬皮でも同じことは言えます。
ですからドラムなどには締め金具がついていて、伸びるごとに締めていけるようになっています。
その点、張り込みっぱぱなしの三味線や二胡には締め金具が付けら得ません。
比較的伸びにくいポリエステルの布地を使うことで三味線や二胡の皮はのびにくくはあります、
しかしそれでも、次第に伸びていくのは止めることはできません。
その点では蛇皮も同じですから、良さそうなのですが。
今のところ、人工皮ですと、蛇の音とは明らかに違います。倍音が少なく単調な音に感じられます。特に低音部ではその傾向が強いですね。
蛇皮と人工皮と何が違うかと言いますと、
蛇皮は違うタイプの皮が、3層になっています。硬い鱗の部分、その下の柔らかい皮、そしてそれを支える繊維質の皮という感じです。
お陰で音も、複雑になり、倍音も多く音色の良さが出てくるとも言えます。
今のところ、いわゆる人工皮ではなかなかに到達できていません。
ドラムの皮にしろ部分的にフィルムを張ったり荒らしたり、さまざまな工夫が凝らされて、音色を追求しています。
中国でもそれは同じで、ケプラー繊維を使ったり(防弾チョッキに使う繊維)、アクリルのフィルムを使ったりと様々な工夫をしています。
私もこの6年ほど木の薄い板を使ったりと、絹の布地を使ったりと様々な材料を試してきて、たどり着いたのが、和紙でした。
ご存知のよう和紙は、木の繊維と糊で出来上がっています。
和紙の良いところは、伸びないことです。もちろん水分を吸わない限り
そして薄くて強靭、日本のお札の良さは皆さんご存知だと思います。
障子などに紙を張って,霧を吹くと、乾くとパンと張りますね。
CDMは、その和紙に様々な種類の樹脂やボンドが含侵されていますから、これは湿気があっても伸びません。
和紙だけではいくら多層にしても、蛇皮の繊維質の感じは作れても鱗の感じはできません。
あの鱗の感じを作るために、硬い紫檀で紙を作り張り込んで、さらに蛇皮の柔らかいところを実現するために、CDMを作り出しました。これは、公開できません。
これがあるおかげで、かなり蛇皮の音に近くなっていると思っています。
そしてこれがし上がりの柄、水泡紙といわれる、型抜きです。(これにはほぉさんがこだわって、仕上がりの美しさも必要と、)
蛇柄嫌いな人にも、ウケテイマス。
今のところはこれが一番蛇皮の音に近いと日本人の演奏家の方々には、評価されています。
これらの音は、ユーチューブでも皆さんが聞くことができます。
この和紙の人工皮CDMは今一番沢山あるのは、
里地帰君の教室でしょう。
3年ほど前に里地帰君のアイデアで日本にある木で作れないかということで作ったのが、
欅の「和胡」です。これは里地帰君の命名です。
https://www.youtube.com/channel/UCCurAZVI0yu-a8KK0dqBcrA
里地帰君のところには、「和胡隊」があり数台の欅の二胡をお聞きになった方もいらっしゃるかもしれません。
二胡のアンサンブルは、とかくすると、音が鈍くぼわっとしてしまうことが多いのです。
これは一つには、様々な樹種の音色が重なってしまい、明確な音色になりにくいのではと、私は考えています。
二胡のアンサンブルを良い音色で成り立たせるには、一つの種類の木で演奏する方が、明瞭な音色で楽しめるのではないかと、
この和胡隊の音を聞いて思いました。
このことはまた別に様々な方たちに協力していただいて、実験してもらって考えなければいけないのかもしれません。
そのほかには、原田サトシさんのチャルダッシュ
https://www.youtube.com/watch?v=6MEnQQJr92A
そして桐子ちゃんの、「鬼滅の刃」でしょうか
https://www.youtube.com/watch?v=ZS_thqprdnk&t=33s
どうぞこれらをお聞きになって、CDMに張り替えること検討してみてはいかがですか?
と言いながらすみません、もうかなりご希望者多いです。