松脂を選ぶというのはなかなかに難しいです。
試してみてこれは違う、これは良いという以外にないのです。
比較的安い2000円前後の物にしろ、何種類か弾いてみないと自分に合っているものが分かりにくいです。
特に二胡の場合、問題は弓毛の良し悪しというのに大変ばらつきがあります。脱色してかなり切れやすいものも多くあります。
当然松脂の付きも悪いですから、どうしてもべたべたと引っ掛かりの強いものを選んでしまいます。
それも沢山ごしごしと塗る習慣が出来てしまっています。先生方の中には毎日塗るようにという方もいます。(光舜松脂はむしろ塗りすぎ注意新しい弓毛でも、せいぜい10回くらい、使っていたものなら数回)
二胡はヴァイオリンなどに比べて弦がその太さの割に長いです。細くて長いものですから、しっかりととらえる必要があります。
想像してみてください、短い弦は軽く引っかけてもすぐ振動しますね。長いものはその分より引っ張らないといけませんね。
それで昔は黒毛の様に強い毛の物を使っていたのだと思います。
また弾くのにもその長い弦はそうとうしっかり弦をとらえる必要があります。そこで先生方は中には力を入れてという方もいらっしゃいますし、もっとウエートを乗せてという方もいます。
そこで腕の動きにさ様々な問題も出てくるのですが。それは置いておいて。
しっかりウエートを乗せて弦をとらえる事ができるようになれば、それほど引っ掛りの強い松脂は要りません。
寧ろ、超高速の曲など弾くと疲れてしまうこともあります。
光舜松脂の0は、今ベルリンの音楽家たちの間に少しは噂になっています。それは音の立ち上がりが早くなおかつべたつきの引っ掛かりではないため重音を鳴らした時などに音がつぶれないからと言われますし,何しろ粒子が細かく倍音が多くあらわれ、音色が美しいと言われて、待望されているようです。
弦をいかにしっかりととらえて弾けるかというのが、弓の毛の状態と質、そして音を出すための技術にも大きく影響されます。
その点で二胡自体が細くて長い弦であるということが、弦をしっかりととらえて鳴らしにくいということもあります。
そこで二胡用に作ったのが、0をベースに同じ細かい粒子で硬度を変えたものを作り引っ掛かりを強くしたのが、25です。
松脂は琥珀になります。琥珀は松脂の結晶化したもので結晶化すると物質はみな硬くなりますね。
楠の樹液を精製して作った樟脳も、メープルの樹液を精製したものも硬くなっています。実は樟脳でも弦は鳴らすことができます。ちょっと遊びでやってみたのす。おなじ樹液でも漆やゴムの様に結晶化しにくいものもありますが。
その結晶化を利用して作ったのが25なのです。(ただし琥珀ほど硬い結晶ではないです、その辺が難しいところでした)
適度な引っ掛かり持つように熱をかけ時間をかけて熟成しています。ですので大変手間と時間がかかり大変申しわけないのですが、かなりの高額になってしまっています。(ヴァイオリン用の松脂の一番高いのは10000円くらいします)しかしギリギリまで引き下げてはいるのです。なにしろ、出来上がるまでに1ケ月半近くかかります。
ということで、かなり高難度の曲を弾く方には、0をお勧めします。
同じように高難度の曲を弾く方でも、手の重さのある方、ウエートを相当かけて弾く方は、引っかかりの強い25を好まれる演奏家もいました。男性がほとんどでしたが。
そんなこんなを考えると、二胡愛好家には、25をと、私には思えます。
お試しいただいた方の中にお二人ほど、25は完成度が高すぎて、自分が弾いているというより松脂が音を作り出していると、おっしゃる方もいました。その方達は0を使っています。またあるヴァイオリニストのかたは、0を使うと弾きたくてたまらなくなると、
例え初心の方でも、特に音にこだわる方には0が良いと思います。
さらに言うと、25の上に0を2,3往復塗ると、とても豊かな適度な引っ掛かりと音色が実現できます。
特に音響を使って人に聞かせる方。ライヴをやる方ですね。
中には、他のメーカーの松脂を塗ってその上に0を塗ると、本当に良い音と、そういう工夫をしている方もいます。(これは言ってはいけないのかもしれませんが)
今まで慣れてきた松脂から離れたくないが、0の音色は最高だからと、おっしゃっていました。
但し、、気を付けてほしいのは、どんなメーカーの物でも合うということでは無いようですから、この事は気を付けてくださいな。いくつか試す以外にないでしょう。
今まで試していただいた方のご意見から、選択の一つの方法です。
でもいくら完成度高すぎても、二胡のために作った25は私は是非二胡愛好家にお勧めします。
工房光舜堂