二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

もうひとつの、雑音の話し。

2010-05-14 14:48:42 | ■工房便り 総合 
木による雑音。

皮による雑音。

もうひとつは、やはり皮。

ある意味これが有るから、二胡には雑音がつきものと言ってしまう楽器屋がいる。

確かに仕方ないのかもしれない。

無理と言えば、無理。

何の話かと言うと、

皮の裏についた、脂肪を採る。

普通、蛇皮には、必ず裏側に、脂肪がついている。

これを取るには、水でぬらした皮を、刃物でこそぎ取る。

これがなかなか難しい。

柔らかいものだから、刃物で、鉋のように削るわけにはいかない。

従って、刃もので少しずつ、こそげ取るように落としていく。

均一にならない。

綺麗に削れない。

刃物をピンピンに研げば行きそうだが、そうすると、皮本体を傷つける可能性が大きい。

このことが有るので、皮張り、10年というのだと思う。

名人と言われる人のみ、これを均一にできるのだろう。

2、3年やったからといって、できるものではない。


(私にしたって6歳から、刃物研ぎ初めて、18歳では、木彫は一人前になっていた。

ましてや今62歳、木削るのだったら、向こうが透けるような鉋をかけられるし。

普通なら、刃物が効かないという、紫檀や黒檀を、刃物で、削れるくらいの腕は有る。

だからこそ、こんな変形の二胡の竿、手がけで作れる。)

それでも、皮の脂肪取りは、難しかった。

皮の厚みに斑が有れば、勿論、均等に張れるわけはない。

当然雑音。

有る楽器屋さんが、皮による雑音直した二胡、みたことが有る。

確かに雑音は無くなっていた。

裏を見たら。

バンドエイドが張ってあった。

絶句。          それはホントに絶句。

しかし、ある意味大正解。(後で剥がれなければ)

ようするに皮の斑な張り方を修正したのだろう。

このことを見ても解るのは、皮が均等に張られていないと、雑音の原因になる。

しかし、脂肪を均一に落とすのは、私には無理。

10年かかると、もう現役は終わっている。

そこで考えた、何か他の方法、珍しく1分は考えたかもしれない。

で、出来上がったのは、光舜二胡の原型。

反則技と言われるのが出来上がった。

これは均一に、脂肪を落とせる、何も刃物と手の技術だけが技術ではない。

荒技だけど、見事に脂肪を全部綺麗に取り去った。

でも、これはやりすぎ、ぺらぺらになってしまった。

ぺけぺけの音。

でまた1分考え、今度こそ光舜二胡の完成。

で、、、何をやったか?

この反則技、さすがに言えない。

アインシュタインの統一場の理論みたいなもの。

つづく

次は、更にもう一つの雑音。

西野和宏



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1 Comments

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なぜ? (Jimmy)
2010-05-16 14:56:30
なぜ二胡は錦蛇の皮なのかが疑問で夜眠れません(その代わり昼寝をしてますが)。
世の中動物皮の二胡もあるし、鮭の皮のものまでありますよね。確かに音は違うけど、それなりに鳴っています。

こうなると演奏家の好みだけ?中国4千年の歴史がそうさせているのでしょうか。。
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