大変お待たせいたしました、３０年！

皆さんの想像と違って、私は、大変気が長いのです。

わりと待てる性格なのかもしれません。

先日、タロ若のところへ、鉄の製作物の件でお客様がいらっしゃいました。

私は所用があって出かけておりお会いできませんでしたが。

「西野さん、藤沢のMさんという設計屋さんご存知ですか？」と、タロ若

「？？？」

「ほら３０年ぐらい前に、お店を作ったでしょ、藤沢に」

「そういえば、Kさんのところね」

「その時にお会いした方ですよ、Mさんという方は、そこで、テーブル頼まれているの覚えていますか？」

「そうそう、まんなかにあながあいているテーブルね、、、でも、何時でも良いということだったので、、、」

「もう３０年経つのですよ、！！！！」と、タロ若

ここで皆さんにお願いです。

店舗の設計や家具などをメインの仕事をしていると、お客様は、絶対と言ってよいくらいに急がせてきます。

納期に対して厳しい考え方を持つ私は、納期の決まったものの順番に、仕事の予定を立てていきます。

次から次絵と、ほとんど休む間もなく、次の仕事その次またその次と、タイミングが合う順番に作り続けてきました。

流石に、二胡屋になってからは、もっとのんびりできるのかと、内心釣りに行ったり、

碁会所へ行ったりできると喜んでいたのですが、、、

これがそもなかなかに行きません。

鳴尾女子などはご自分のペースの強い方ですから（ちょっと抱えすぎじゃないと思うくらい！、演奏会前日に新曲が決まるというような方ですからね、、最後まで音楽家であろうという熱情には、頭が下がります）

演奏会前１，５ヶ月で、

「西野さん、このドデカゴン、低音二胡としてはとても優秀、で、今度の演奏会に８台貸して？」

「８台、あと１、ヶ月半ですよ」

おかげでスピード上がりましたし、同じ物作るなら、全部の木の種類を変えてやろうと、８種類の木で作ったのですが、

低音二胡の作りというのが自分でも納得できるようなものになりました。（やっぱりこういうプレッシャーというのは、物つくりに必要なのですね。）

「来週発表会で、今週中に、などという方もいらっしゃるのです。

しかし、光舜堂のお客様は大変ご理解の深い方が多く、

かなりの方が、「いつでもいいですよ～～」と、

そう言われたとたん、私の頭からはそのことが脱落します。

私はメモを一切取りませんから、脱落した物は復活しないのです。

学校のころから、メモやらノートをとったことがありません、教科書に書いてあるからですが、

しかし、最近ではうちには、ほぉさんという記録魔がいます、なんでも必要以上にメモして、そのメモをどこかに忘れたりもしますが、、

さすがに仕事、特に、弓のご注文に関してはかなり厳しいチェックが、入ります。

遅れ遅れではありますが、弓は何とかなっているようです。

ですから皆さん、私に何時でも良いですとは言わないでください。

出来たらほぉさん宛、口頭でも、メールでも、お手紙でも、ご注文いただければ幸いです。

昨晩、二胡姫さんのHPに、福音弓の発売がアップされました。

今朝は完売しております。

大変ありがとうございます。

自分自身の、手の具合から考えて、その他の二胡の修理のことまで考えると、このように２０本、３０本と、まとめて作るのは無理とおいしゃさんにも言われまして、、

こんごは、細々と、ではありますが、皆さんがご希望なら続けるとおもいます。

不思議なことになんでかわかりませんが、かの有名な弓造りの、Ô女子が、私の弓の事を知っていて、大変褒めてくれたのだそうです？？？？

何で知っているのかはわかりませんが、細々とですが、３０年もお待たせしないようには、続けられると思います。

（何しろ、２，３年すると７００本近い、弓の張替が待っていますからね）

二胡姫さんを通して福音弓をお買い上げの方々へ。

　謹んで、ここに二胡姫さんでの福音弓の通販は終了したことをお伝えするとともに、

お買い上げいただいたこと、御礼申し上げます。

尚弓毛の張替は、いつでもお申し付けくださいませ、

今たとえ私がいなくなっても、弓毛の張替は私レベルに出来上がることを目指して、弓の製作者を養成しております。

ありがとうございました。

福音弓造り、西野和宏