二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

頭取れ・元のボンドをきれいに取り去る!

2022-01-14 10:39:53 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
これはとても大切なことです。皆さんが頭が取れた時にご自身で直した時にうまくいかないことの半分以上の理由はこのためです。

ましてや、胴の割れなどはその細い隙間に残っているボンドを取り去るというのは相当難しいことです、隙間が細いと刃物が入りませんから。やり方はありますが、失敗率も高いのでここには書きません。手の技ですので本当に慣れが必要です。「お前が言った通りやったのに上手くいかずちゃんとつかなかった」と言われかねません。胴は音の出る本体ですのでとても大切な部分でしょう。

さて今回の頭とれ、他人付け!と呼ぶのかどうかは、分かりませんが。

これは頭の取れた二胡の修理としても珍しいものですので、書いておきます。

別の楽器委の頭を付けたのです。


どうやら、どこやらの楽器屋さんで、一度修理したとのこと、その後再び取れてご自身でつけたらしく再度また取れて、致し方なくテープで巻いてあったのです。

がしかし、送っていただいた頭の方が、全くの他人、塗装して似た色にはしてありましたが、どうやら花梨のようでしたので、私の手持ちの中で近いものを取り付けることにしました。

にしても、最初の修理の時に、棹自体が細く削られてしまったようで、接着面が大変少なくなってきました。

そこで、ケミカルアンカー方式



これですね。

芯を入れてエポキシボンドで固めます。

その後、細かな隙間を埋めて、一本の棹に削り上げたのです。



頭が取れた時に、再度つけると、多少位置のずれることもあります。多分この最初の修理の時にそのように位置がずれたため、全体を削って細くしたのでしょう。

しかしそのおかげで、接着面が少なくなり、多少の衝撃でも取れやすくなってしまったのだと思います。

それと、最初の修理の時に、元のボンドがきれいに足られておらず残っているのが見えました。

頭取れの時の修理で気を付けなければいけないことの一つは、元のボンド(膠)をきれいに取り去ることです

工房光舜堂西野和宏

Comment    この記事についてブログを書く
« たかが毛替え、されど毛替え! | TOP | ?これ、なんだと思います? »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 二胡の救急箱に書かなかったこと