光舜松脂は油分に相性が悪いです。
油分の多い既存の松脂の上に塗ると最初の内は滑ることもあります。
特に、上塗り用としてお勧めもしている0は特にです。
今回00aと00bを試していただいた方の中に、お二人くらいその様な話もありました。(何回か付け直すとそれも消えます)
弓毛についた松脂は完全に取り切るには中性洗剤などで洗うきりないのです。
しかしそこまでしなくとも通常は、眼鏡拭き(市販のアルコール系)で拭き取るくらいでもそこそこは取れます。
そこで、販売時、あるいはこのようなお試しの時は眼鏡拭きを同封しています。
光舜松脂「B」はそのような中でも一番油分、そしてその他の柔軟剤が入ったコントラバス、あるいはチェロ専用の松脂に変わるものは作れないかと研究しました。
あの柔らかい松脂強力ですね。その上に何か他の松脂を上塗りしてもほとんどそれが影響しないで、元々の引っ掛かりの超強いに負けてしまうのです。
この柔らかい松脂、コントラバスの世界ではもう殆ど95%くらいの方が使っておられるようです。
そしてこの松脂なかなか拭き取ることもできません。
ということはその上に乗せるもので尚且つ音色も良くキレも良いものを作るきりないのです。
そこで、他社の松脂でも実験し、またその時にそれらの会社の自社の松脂の説明、あるいはネットでも松脂の比較などしている演奏家の話など読んでみたのです。
驚いたことは、{引っ掛かりが強く}、{音が大きく出る}{さらさらしている}{噛みつくような引っ掛かり}{吠えるような}
いわゆる引っかかりの強い振動は倍音の出るのを消してしまいがちです。
引っかかるおかげで、弦が横揺れして振動が不安定になり、本来なら調弦しているそのほかの弦が共振せず倍音が減ります。
調弦の時に二本の弦を弾いて合わせたあの豊かな音のふくらみが無くなるのです。
光舜松脂の特徴の一つは音の立ち上がりが速く尚且つキレがあります。
そのキレのお陰で豊かな倍音が発生しやすく、なおかつ遠鳴りします。(遠鳴りの事はまたいずれ)
そのお陰で楽器本来の持っている音色が十分に発揮されます。
それを何とか、あの低音弦用の柔らかい松脂の上に乗せられるようにしたのです。
その元は、天然熟成の松脂の中にそういう成分があったのです。
自然は凄いですね!!!
その成分を再現、安定して作るようにしたのです、そしてグリップ感(引っ掛かりではなく)を増減できるようになったのもこれらの天然熟成の松脂があったからです。
その成分をNタイプと名付けました。
光舜松脂製造販売所は極小の松脂屋です。
擦弦楽器、ヴァイオリンの業界ではなかなかに広がっていきません。
ですから、これ面白そうとお試ししてくれる方の弓毛にはもうすでに他社の松脂が付いています。
「B]を研究したおかげで、というか天然熟成のあるタイプの松脂のお陰でこれら既存の松脂の上に乗せても、滑ることもなく、元々の良さは生かしながら引っ掛かりという言葉ではなく、グリップ感として、弓の使い方による大きな音も実現し、繊細な美しい音色も実現します。
とりあえずは、お試し用に小さいもので発売しようかと考えています。
名前は、0Nです。
松脂工房光舜堂西野和宏・ほぉ・ネオ