二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の音色その7

2010-07-02 17:27:10 | ■工房便り 総合 
楽器は、変遷します。

形も変われば、音も変わり、その場所まで変わります。

日本のように、孤立した世界では、それほどの変化はありませんが、

この言葉、どう思います。?

シタール、チター、ギター

チターとギターは、形状もかなり似ています。

第3の男という映画で、日本でも有名になった楽器ですが、どうも。ジプシー達が持って移動したような話です。

ジプシーたちは、言語学的には、アーリア系とされています。元はインドからという説が多いのです。

そうすると、シタールから始まると言うのは、納得いくような気がします。

カーヌーン、チンバレン、チェンバロ、

これも、エジプトが最初に有ったという説もあります、が、中国にも同じ形態の、楊琴があります。どこが最初だったのでしょう。

二胡も、もちろん、胡と付くくらいですから、中国の西側から入ってきたのでしょう。

最初は、外国の、エキゾチックな音と思われていたのでしょう。

西側から来たとすると、最初から、蛇皮が張られていたというのは、無かったと思います。

なぜなら、ニシキヘビは、東南アジアにきり,いなかったからです。最初は、もしかしたら、木だったのか?

キジャック、ケジャック、馬頭琴等の木でできていた弦楽器系か、

あるいは、アラブに有るレバブと言う山羊皮を張ったもの。

このレバブがどうやら西に移動して、バイオリンの元になったという説がもっぱらです。

確かに、二胡等と違い、細長く表だけに山羊側を張ってあります。

同じ名前の、レバブと言うのが、バリ島にもありました。

これも山羊皮でした、かなり緩く張った、とても高音の出ない楽器でしたが、そのなんともいえない、緩い音色が、もしかしたら、コーランなどに合っていたかもしれません。
唯バリ島は、回教のインドネシアの中では、唯一ヒンドゥー今日ですが。

擦弦楽器は、基本的には、馬の居た国の生まれ、だったのだろうと思います。

何せ馬の尻尾の毛を使って弾くわけですから。(竹の棒で弾く楽器と言うのも有ったそうですが、どちらが先なのか?)

いつのころからか、蛇の皮を張るようになったのでしょう、諸説入り混じって色々有りますが、中国で、宋の時代という説が一番有力みたいです。

薄くて、強靭。それが蛇皮の特徴でしょう。

試しに様々な木で、蛇皮の代わりに、二胡に張って、鳴らしてみました。

簡単に言ってしまうと、これは、バイオリンとしか言いようがありません。

それもかなり小さな音です、高音も出ませんし、低音も出ません。

二胡ぐらいの大きさの音を作るには、多分倍の大きさ、直径18位は必要なのかもしれない

と思っていたところ。

何と、キジャックと言う楽器の駒を作るのを頼まれました。

キジャックの直径がまさに18位はあったのです。

みんな考えることは同じかーーー。

もちろんまだこのキジャックの、駒はできていません、できたら光舜堂に、お客様が取りに来られるまで、あずかろうと思っています。(もちろんお客様のご了承を得てからですが)

早く音聞いてみたいですね。

ともかく、木の板では幾ら薄く作っても、あの弾みのある音は出ないのです。

弦が揺れ、皮がはずみ、弓が緩い。

なるべく、固定化して、揺れる部分を、無くし完成度を上げて行く方向に進んで、
バイオリンが出来上がったとしたら、

そのゆるさのまま、限りなく完成?度を上げることにより、

演奏家の、個性が限りなく、表現できるようにした、今の二胡、

まだまだボリュウムと雑音という点で完成とまでは行かなくとも、

その雑音?不共和な、部分まで組み込んだ、音色作り、音作り、楽器作りを続けられたら、

もしかしたら、それは二胡ではないと言われるかもしれないのですが、

音色そのものは、二胡を代表する、ゆ る い 弦楽器を作り上げられるのかもしれません。

雑音との、共存、共和、

今の段階、私の作った二胡は、雑音を抑え込むことには、成功したと思います。

まだ100%ではありませんが。

しかし抑え込むと言う方向は、なんだかバイオリンの方向のような気がするのです。

それならバイオリンで良いわけです。

もしかしたら。

雑音が入り込んでいる、と言うのを超えられるような、不快でない雑音と言うのは、あり得ないでしょうか?

例えば虫の声のような、波の音のような、

二胡の作り上げる音から、飛び出さないような雑音まで抑え込めたとしたら。

あるいは、活かせるような雑音、

今の二胡は、その ゆるいままの楽器として完成するかもしれません。

より一人ひとりの個性を表現しやすい楽器になるかもしれません。


この項終わります。

西野和宏。










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2 Comments

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Unknown (しゃおちん)
2010-07-03 10:23:29
お手数おかけします。
駒楽しみです~

キジャックはそんなにポピュラーな楽器ではないので是非、光舜堂さんにおいて皆さんに触ってもらってください。


音色の話ですが、前の老師が言ってた言葉を思い出しました。
「3年で自分の音色をだせる人も居れば10年習っても自分の音色を出せない人も居ます。」
やっと3年経ちました。
まだまだですが、手に豆を作りながら自分の音色探しがんばります。
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しゃおちんさん (nishino)
2010-07-03 18:41:26
意外と、構造が弱そうなので、

気おつけますが、貸していただきます、ありがとうございます。
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