二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を鳴らす。その4。

2012-11-30 10:48:35 | ■工房便り 総合 
この文章もしかしたら、とても無駄な悪あがきかもとも思います。

何しろ音を言葉として解説すること自体に、問題が多々あります。

これなら、PCで、二胡の音を聴くなりするのと変わらないかもしれません。

録音した方の機材とPCの受け取る方の器材との違いが相当本物の音との違いを引き出す以上かもしれませんね。

しかし書き始めたのでこれは皆さんの頭の中にある、音色、鳴り、響き、という言葉に、もしかしたら私の言っている意味と少しは同じふうに感じる人が居るかもしれないという程度だと思って下さい。

まあ、私のマニアックな戯言と考えて下さい。(その上演奏上の事を言っているのではないので悪しからず、単純に二胡を鳴らす、という話ですから。鳴らすというのが、これまた伝わりにくいのですが)


二胡は音色、と私はよく言いますし、またそのように思う方も多いと思います。(この音色は、実際の楽器の音色と言うことではなく、音色が良いね、ということ、そしてその音色にひきこまれる人が多いですねという意味で)
又は、純粋な音の振動、音叉などのような音ではなく沢山の倍音を含んだ感情に訴えかけるようなという意味だと考えて下さい)

もちろん楽器はそれぞれに、いろいろな音色を持っています。

シタール、ウード、バイオリン、ギターに三味線、三線、胡弓、

様々にその材料と構造が活きる音色を持っています。

二胡の場合その音色が変化します。

ギターなども材料により音色は変わります。

二胡の場合、同じ楽器でも弾き方によって、初めて来た人にもわかるほど変化しますね。

もちろん(ここで言ってっておかないとまた怒られますから)どんな楽器も弾き手によっては変化しますし、弾き方によっても変化しますが。

初めてその楽器を聴いた人でも解るほどではないと思うのです。

バイオリンでも、慣れた人ならこれは、オイストラッフ、パールマンと聞き分けるでしょうが、多分バイオリンを専門にやってきた人では無ければ解らないのではないでしょうか。

二胡の場合この変化がとても顕著なのです。

一曲の中でも同じ人が弾いていてもとても変化させることが出来ます。

もちろん変化させるにはそれなりのテクニックと言うのは必要でしょう。

しかしその前に楽器自体のホントの音色を出し切る力、鳴らすということが出来ないとそれは出来にくいのです。

鳴らすということで一番大切なことはなんだろうかと今更考えます。

基本的に、弓の毛が弦をしっかりとらえることでしょう。

それには弦に対して直角に、弓の毛が当たっていないと鳴らすという基本的なことが出来ません。

弾く人の姿勢によっては違いが出るのでしょうけれど、意外と弦と直角に弾いている人が少ないのです。

手は確かに平らに動いていますが、弦自体が垂直に立っているわけではありません。

ですから弦を直角にとらえるには、手を水平に動かしてもとらえきれないのです。

先生方の弓の動きと二胡の角度を見て下さい。

大概の先生が手は右上に上がっていきますね。

これは弦に対して直角に動いているからです。

二胡の姿勢も影響するようです。

真っ直ぐに立てて弾いている方、少し前に倒して弾いている方。色々有ります。

二胡の棹に対して弦は上に行くに従って棹に近づきますから、二胡を垂直に立てると、弦は上に行くに従って、手前に来ます。

弦は手前に倒れています。

棹を少し前に寝かせると、弦は垂直になります。

これだけでも弦を弓で、直角にとらえるというのが、なかなかに難しいというのが判ると思います。

弾きながら一番音が鳴る為の右手の角度と言うのをいろいろやってみる方法もあるでしょうし、鏡を見ながら弾いてみるのも良いのではないでしょうか。

それが自然に出来るようになれば、まず音が鳴るということの基本なのではないでしょうか。

この事私などが言うまでも無く、皆さん先生に教わったはずなのですが、、、、、

ただ、この直角にとらえると言うにしてもいろいろあるみたいで上手い人は敢えて滑らせたりもします。(それが音色ん違いにも現れるかもしれません)

そんなこと言われなくともちゃんとできているよ、と怒られるかもしれません。

失礼しました。

ただ、これを機会に一度鏡で見てみても良いのではないですか?



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