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今蛇皮がかなり高騰しています。
約1,5倍、そのうち今までの2倍くらいにはなっていくでしょうし、近い将来には、もう使え無くなるというのは、かなり読めるようになってきたと思います。
今の蛇皮の値上がりの一つに、中国とベトナムの争いと言うのが、影響しています。
蛇そのものの養殖と言うのは、ベトナムあたりの、農民のアルバイト的なものです。
それを奨励して、農民たちから、買い集めて、販売をしているのは、中国人や、華僑たちです。
中国のごり押し的な、海外政策のお蔭でベトナム人が大変迷惑しているというのは皆さんもお聞きになった事でしょう。
その影響で蛇皮が手に入りにくくなっています。
それだけではないですが、やはり一研究者として、二胡の蛇皮に変わる人工皮と言うのは今後の事を考えて研究の対象にしていこうと思っています。
人工皮と言うのは、ほとんどが、布地で出来上がっています。
布地と言っても、天然繊維ではなく、プラスティック系です。
弾力のある、かなりしっかりした物も有りますが、本当にただの布地というのもあります
人工皮のメーカーは、かなり大きな繊維会社が作っています。
手作りで、一枚一枚と言うわけにはいかないのです。
何しろ布地ですから、機織り機で私があるなどと言う風には行きません。
中には蛇皮の模様の入っている物があります、二胡や三線に使われるのはみな、蛇皮模様がプリントされています。
これは嫌いです。
人工なのですから、何も蛇皮の模様を付けなくともよいのではないでしょうか。
私の作ったこの人工皮にも模様は入っています。直線的なモンドリアン的な感じ、和風ともいえるかもしれません。
これは考え方としては、ジョージガオさんが使っている二胡の人工皮とおなじです。
柔らかい弾力のある、板の上に硬い別の素材で模様を付けていくという方法です。
ジョージガオさんの二胡の場合、塩ビの板の上にたぶん、ポリウレタンのがらがついています。
蛇皮の徳と湯は柔らかい真皮の上に、鱗と言う硬い部分が乗っている二重構造になっていることでしょう。
これを人工的にどうやって実現するかが、より蛇皮の二胡の音色に近づく方法だと思うのです。
香港で製造される、あるいは使われる二胡と言うのは、すべて、人工皮です。
これは色イオr工夫されてもいるのでしょうが、ほとんど単なるプラスティックの布地です、織り方や繊維の太さ、その密度など各社色いろいろ研究はしているでしょうが、すべて単層のものです。
この方法だとどうしても深い音色と言うのは出てきにくいです。
やっぱり蛇皮の方が良いなという事になってしまいかねません。
二胡は量産の物ですしこのような人工皮と言うのも量産以外は採算に合わないのです。
ですのでどうしても音が単調にならざるを得ないのは致し方ないですね。
しかし、良い事もあります。
それは変に名人作などと言ってバカ高い値段を日本でさえ取ることは出来ないでしょう、何しろ量産ですから。
人工皮の名人二胡師と言うのはさすがにかの国でも出てこないでしょう。
私の場合は、5層になっています。
ベースのポリエステルの布地に、より弾力のある物そして硬い物、その硬さをつなぎ合わせる物、それらを多層に仕上げていきます。
これこそ手作りの良さが出て来て、同じ素材の多層構造ではありますが、その量の加減で一枚一枚違う音色を仕立てることが出来ます。
今この写真の柄が変わるだけでも音色は変わりますが、あと1000枚くらい作れば、いずれは老紅木、や紫檀黒檀など、樹種によっても、使い分けができるようになるかもしれません。
この柄は、皇室の鱗に当たる部分の模様なのです、その間に少し弾力のある、ラインがはいっています。
要するにこの柄は、鱗の代りです。
この楽器は、お客様のものですから皆さんに訊いていただくというのは難しいのですが、(あるいはこのお客様がライヴをやるようになれば、、、聞かせてもらえるでしょう。)
殆ど蛇皮の音と変わりません。(私の耳では)
これらのデータは、すべて私の頭の中にあります。
これらのデータは全て天国?まで持って行きます。
唯一人工皮の名人二胡師と言われるかもしれません(大笑い)