二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

美しい木には...がある。

2017-02-23 10:36:30 | ■工房便り 総合 
フェルナンブーコ病というビョーキがあります.

病気とも言えないのです。

フェルナンブーコという木があります。

硬くて粘りがあって、なおかつ、比較的軽い。

紫檀の仲間です。

ブラジルのフェルナンブーコ州でとれた、木です。

もともとはブラジルボクといわれ、ブラジルの名前の由来になった木でもあります。

そしてその木からとれる染料は、とても美しい、赤い色をしています。

この木をヴァイオリンの弓に試してみて、そのあまりの良さに、今ではフェルナンブーコ以外のヴァイオリンの弓というのはほとんどないのです。

美しく、なおかつ強靭、

そして香りもとても良いのです。

ところがこの美しい木を削っていると、硬い細かな粉末が出てきます。

これがのどを刺激し、鼻を刺激し、

涙は出るは鼻水は出るはしまいには、過剰摂取すると、

アレルギー反応を引き起こします。

フェルナンブーコだけではありません。

小葉紫檀も、ブラジリアンローズも、はたまた、紅木も、本紫檀も、

いわゆる二胡を造る木のほとんどが、このアレルギー反応を引き起こします。

のどがやられ、始終咳が出て、しまいには、汗をかこうものなら、木の粉が触れたところが、真っ赤にはれ上がり、

かゆみを伴い、たぶん、花粉症の方にはお判りでしょうが。

紫檀の類を触っているだけで、一年中ビョウキにかかっているのと変わりありません。

光舜堂へいらした方はお判りでしょうが、

私は時々、いやな咳をします。

風邪でもないですし、インフルエンザでもありません。

そのほかもちろん結核でもないのです。

フェルナンブーコ病なのです。

おかげで、ドクターストップ!

でも、

2,3日、紫檀類の加工をしなければ、まったく治ります。

ところがです、このところ、今光舜堂には、販売できる楽器がほとんど無いことに気が付きました。

去年の後半は、DODECAGONの製作に追われていて、

また知り合いの、教室や楽器屋さんに置いておいたのも、売れてしまっていたのです。

そこへきて、なんだか、変な欲求に駆られて、リグナムバイダで二胡を造ったりしました。

この木が良い香りです、

命の木ともいわれるくらいに、現地では大切にされていたものですし。

日本でもお数珠に作られたりします。

その緑色の不思議さが、大変 人の心をひきつけるのでしょうね。

いわゆる、中国などでいわれている、緑檀は塗装をしておかないと色はどんどん変色して、茶色くなってしまいます。

ところがこのリグナムバイダは、置いておけば置くほど深い緑になっていきます。

これは不思議ですね。

そんな不思議な木ですから、作っている私のほうにもかなりの影響が出ます。

強い木、はとても魅力があります、

紫檀黒檀、そして緑檀。

でもその美しさの陰には、、、!!

まあ、それでも、作りたいという要求が強く、出来上がった二胡の木の美しさというのは、ほかに替えようもないのです。

長く生きようなんて考えずに、(もう十分生きてきましたし、残るものもたくさん作ってきたし)

あと、どれだけ美しい楽器を造れるか、

ほんと良い音、

やまと二胡が出来上がりました。
Comment    この記事についてブログを書く
« 2月19日(日)今年もまた... | TOP | 激怒!! »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合