大変ありがたいことに、福岡のニコロさん、里地帰君の教室から、ぽつぽつとご注文いただいています。
さすがに、10台を超えることから違和感はなくなりましたが、
最初に、「和j胡」と聞いた時には、作っている私には大変衝撃でした。
日本人の私が、二胡を作るというのは、どこか、気持ちの中に、中国から来た楽器、というのがありました。
最近は言いませんが、以前は紫檀黒檀類をまとめて唐木と言っていました。
二胡はその唐木で作る物と、私自身思っていました。
ある時、古い二胡を見せてもらっていた時に、その中に、桑の木の二胡があったのです。それがとても良い音色で、
考えてみたら、中国の琵琶も昔は桑の木だったのです。
それならばと、桑の木や、楓(これはヴァイオリンを作る材です)そして、和太鼓を作る欅の木など、楽器に既に使われているものなら、良い音がするに違いないと、いくつか作りました。
その中で、桑は飛びぬけて音色が良いと感じました。
そして鳴りの良さでは欅でした。
もう数年前になりますが、里地帰君と話していて、折角日本でこれだけの二胡を作れるのだから、日本の木で日本を意識した二胡は作れないかという話になりました。
和胡というくらいですから、むしろ和紙のCDMにしましょうと。
そこで和紙のCDMと組み合わせたところ、とても良い音色で、その上良く響くのです。
蛇皮ですとその響きの強さが強調されますが、CDMだと、音色も強く出てきます。
これは「和胡」ですね。と里地帰君。
和胡と言い切ってくれる、里地帰君に感謝です。
三味線も元は中国の三弦という楽器が、沖縄に入り、三線になり、戦国時代に日本に入って、三味線となっったようです。
地域が変われば楽器自体も変化し材料も変わり、名前も変わるのでしょう。
後2.30年くらいしたら、日本に二胡が定着して、さらに日本人の楽器製作者が増え、和胡という楽器の分野ができるかもしれませんね。