二胡工房 光舜堂

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二胡の弦の選択、その2

2014-11-05 10:50:16 | ■工房便り 総合 
二胡の弦の価格の安い物ほど硬い弦であり、価格の高い物ほど柔らかい弦であるという基本があります。

良く皆さん間違えるのは、弦を触ってこれは硬い強い柔らかいというのが人それぞれの言葉としてごちゃごちゃになっている事です。

弦を張ってみて、柔らかく強い物がなんだか固く感じることもありますが、実際には、

弦を袋から出して、伸ばしてみて、真ん中あたりを持って、上下に振ってみると、

硬い弦は、動きが俊敏です、ぴっぴっと上下に動きます。

柔らかい弦は多少太い事もあって、ふわーふわーーと動きます。

又、弦の糸軸に巻き付けて、すぐほどいてみると、硬い弦は糸軸に巻き付いた形が残りますが、

柔らかい弦はかなり元のまっすぐに近く戻ります。

柔らかいというのは、弾力が有、弦としての回復力があるということで、それだけ振動も強くなります。

硬い弦と、柔らかい弦の違いは、振動の強さが変わるということなのです。

硬い弦は振動もすぐ止まりますが柔らかい弦、弾力のある弦は振動がすぐには止まらず、伸びのある音になりやすいのです。

勿論硬い弦は、振動も小さい分音も小さいです、(比較的)

柔らかい弦は音も大きくなります。

では二胡は全て柔らかい弦を使った方が、良い音になるかと言うと違います。

元々からして二胡は指板がありません、ですから弦はとても良く振動するのです。

二胡には色々な樹種が有、花梨から、インドの小葉紫檀まで、沢山の種類があります。

二胡の胴は、皮が振動することによって、胴も振動します。

ですから、胴の樹種によって皮の厚みを変えています。

二胡の樹種の中で一番柔らかいのは、花梨です。

重さも、水の重さの80%これを、気乾比重0,8といいます。

ちなみに一番重いのはリグナムヴァイダの、1,28要するに水より重いので沈みます。

重い木は当然振動しにくいです、また硬いものも大きく叩かないと鳴りにくいです。

重い東大寺のかねは、大きな撞木でないと鳴りませんね。

バットでたたいたぐらいでは大した鳴りになりません。

それと同じく皮も厚い皮でないと十分に鳴らないのです。

その厚い皮を鳴らすためには強く振動する弦の方が良いのです。

勿論皆さんの右手の練習も十分にしておかないと、その厚い皮そして、硬くて重い胴を鳴らすことはできません>(すみません余計な事でした)

初心者がなぜ花梨の二胡が良いかというのもこの辺にあります。

花梨は大きな木がまだたくさん残っていて比較的安いしという事もありますが、花梨は紫檀(気乾比重1前後)等より軽く道管も多いために鳴りやすいのです。

ですから厚い皮は必要なく、比較的若い蛇皮や、同じ蛇皮でもお腹のあたりの薄い所を使います。

当然安くなります、蛇皮で一番大きな面積を占めていてたくさん取れますから。

この花梨の薄い皮に柔らかく強い弦を張って、鳴らしたとすると、音が割れます。

そうで無くとも、大きな音がしますから、振動しすぎて音が割れてしまうのです。

ですからむしろ硬い、牡丹弦などの方が花梨には合います。





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