二胡工房 光舜堂

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二胡の弦の選択、その3

2014-11-06 10:12:33 | ■工房便り 総合 
二胡の作り方として、軽い(二胡の材の中では比較的)材料から順番に上げていきますと。

花梨、老紅木、黒檀、紫檀、となります。

ところが硬さで行くと、

花梨、老紅木、紫檀、黒檀となります。

重くて硬い材料は、比較的、厚めの皮を張ります。

強い材料ですから、厚めの皮の方がその強さを弾きだせるのです。

そして、厚めの皮を振動させるためには、柔らくて弾力があって粘りのある弦が適正でしょう。

このような弦はまえにも書きましたが比較的高額なものになります。

弦の有名なブランドの物は比較的高額ですが、中には有名料も入っていますから、どの弦が一番というのは解りません。

もう一つ、判定しづらいのは、同じ紫檀と言われている楽器でも、鉄刀木のように、道管がとても多く硬いのですが老紅木並の重さきりない物もあります。

また、インドの小葉紫檀などは、重さはあるのですが、黒檀より柔らかいという感じです。

ですから、ドイツ製のとても良く振動するような弦ですと、鳴りすぎてしまって、音の輪郭がぼやけてしまうほどになる場合もあります。

基本的に、この二つの、PとTの弦が合う楽器と言うのは二胡の中には本当に少ないです。

むしろ、二泉弦でも作ってくれると良いのになどとも考えてしまいます。

柔らかい弦の難点と言うのもあります。

かなり弾ける人が思い切って強く弾くと音程が変わってしまうなどという事もあります。

とくに長く弾き込んだ柔らかくなった皮の場合、弦に弾力があり過ぎて、音程が変わってしまうなどということもあります。

弦の選択に関して言うと長く使い込んだ楽器の柔らかくなった、皮には、このPとT以外の中国製の弦の中で強めの弾力のある物の方が比較的馴染みやすいという事もあるとおもいます。

必ずしも、強い弾力のある弦が良いとは限りません。

もう少し硬めの弦で、彪駒など使う方がより振動がきちんと伝えられると思います。

もうこうなってくると、皮と弦、弦と駒、そして弦と弓、すべてが関連してきてしまうのです。

ですから調整というのがとても大切なことになってきます。

どんな木で出来ていてそこにどの位の厚みの皮が張ってあるのかというのが弦の選択の一つの基準にはなります。

そしてその皮がどの位弾き込まれているかというのも弦の選択には大切な要素です。

一般的な、牡丹弦などは皆さんご存知かと思いましたのでここで名前をあげましたが、

各楽器屋さんがこれが良いと販売している弦の名前をこれはこんな楽器に合いますともここでは言えません。

何故なら絶対ではないからです、皆さんの楽器一つ一つがもう違う状態です。

ですから私は彼方此方へ行って調整会を開くのです。

基本的に、闇雲に高額な弦ならより良い音になるということではないと、知ってもらいたいからでもあります。

本当に大雑把に言って、厚い皮には、良く振動する弦は向いています、しかしこれも皮の新しいうちだけで、

7,8年弾き込んだ皮には、むしろもう少し硬い、弦の方が音の輪郭も音の伸びも出て来るような気がします。

そして、これは今まで自分で試してみて、かなり効果があるなと思うのは、

新しい楽器には、どこのどんな弦でも良いですから、二泉弦を張って一ヶ月くらい弾き込むと、大変良い状態の鳴りが得られます。

暫くは教室等にも持って行けないでしょうが、ご自宅で皮の良い振動の為に、二泉弦で皮慣らしをするというのはとても良い方法だと思います。、

弦のはなし、次は、最大の難題8角形、北京系の為の弦の話です。

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