二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

家具は胡桃

2010-04-19 20:34:05 | ■工房便り 総合 
「胡」という字によほど、縁が有るのか、

私はここ40年ほど、家具を作る時は、北海道の胡桃を使ってきた。

祖父にも、言われ、木場の先輩達にも、指摘され、

冬の、北海道で、木の切り出しに立ち会ってきた。

木が解るには、切り出しから。

ホントは、もっと言えば、植えるところからなのだろう。

お陰で、どんな年輪を持つ木が、どのような風景、(そう風景なのだ)のところで育って、どんな正確になるかが、多少は、理解できた、と思う。

木場で、木を買う時、

私たちは、丸太の木口を削らせてもらえるだけ。

決して、割って中を見せてもらえるわけではない。

木口の年輪を見ただけで買わなければいけない。

これは、辛かった。失敗すれば、数十万数百万が、吹っ飛ぶ。

金持ちになれないわけだ!

でもお陰で、かなり、木材と言う物が解ってきた。

二胡の材も同じ。

丸太から、この木の性質を判断し、此処は、竿、此処は胴。

と決めて製材する。

竿は、まっすぐなものが良いのは当然、でもそれは、杢目(見えている年輪)が、
ということではない。

木の性質の大きな一部は、導管(血管みたいなもの)の並びが決定する。

よく逆目が、とか言うのは、この導管が、きれいに並んでいないところ。

この、導管が曲者。

木目と一緒に並んでいるような、檜や、欅、見たいに素直なものは、

二胡を作る唐木には、ない。

何で、此処で曲がるの、ねじれるの、と、あっちへ行きこっちへ行き。

だから、製材が大切。

切り割ながら、性格を判断する。

製材次第で、狂いの少ない、材料が出来上がる。

音を出すもので、製材が全てという物が、有る。

歌舞伎の拍子木。

これは、本桜の、真芯を、なたで割る。一つの材から採ったものだからこそ、

同じ音に鳴る。

振動を与えて音にするわけだから。同じ音でなければ、きれいに鳴らない。

二胡も、同じはず。6枚の胴の板が同じ個有振動を持っているべきだ。

と、此処から私の、悪戦苦闘が始まった。

つづく

(写真は、木場で、ココポロの製材中、右側、竿、左が胴の部分に、切り分けたところ。)




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