光舜堂を始めて、8ヶ月、
たくさんの人と出会い、
たくさんの二胡と出会いました。
光舜堂の初日、突然、光舜堂には似合わない、いまどきのお嬢さんがいらっしゃって、
「おめでとうございます」
お祝いの品を手渡されました。
????、何方?だれ?
その場にいた店番ズたちも怪訝な顔、
「Hです」
えっーーーーーーーーーーーーーー?
あの
実直そうな、気まじめを絵にかいたような。
それこそ蛹が蝶に、
ひらひらと流行りのロングスカートをひるがえしてまた渋谷の街に、
華やかな、幻想的なスタートになりました。
多分最初のころは、(今でも)二胡売るという感覚はなかったと思います。
どちらかと言うと、なんとなく感じていた、二胡医になれれば、良いかな!
それまで二胡作り始めて1年半、
100台以上の二胡に触れて感じていた、
ちゃんと鳴らしてやりたいという思いが通じたのかもしれません。
たくさんの二胡、調整も含めて、治してきました。
一番多いのは、やはり皮でした。
二胡は皮が全て、と言う二胡作りの方が沢山おられます。
私としては、基本は木の胴と棹と言う考えです。
何故なら、鳴るのは木の胴と棹だからです、
だからこそ、紫檀の音色は、黒檀の音色は、やはり老紅木がと言ういい方をする割に
皮が全てと言ういい方は、良く解りませんでした。
木の部分はこれは取り換えが効きません。
大切にメンテナンスをしながら使えば200年も300年も保つものです。
皮は、振動を与え続けるのですから、いずれは痛みます。
多分12,3年、長くて20年、
張り替えが必要になる部分です。
ただ、私が思っていたより、大変多くの皮が歪んでしまっていました。
殆ど80%位が、折角木の部分は良く出来ているのに、
皮が歪んでいると言う感じは否めません。
原因は、最初から、と言うのもあります。
このことは、皮を量産体制で張っているということに依ります。
皮は一枚一枚違う伸び方をします。
ましてや、縦横の伸び方も違えば、左右の伸び方も違います。
当然でしょう、同じ蛇はいないのですから。
プラスティックとは違います。
と言うことは、本来量産的な張り方は出来ないはずなのです。
金額的な問題として、そのような量産の方法で張るのでしょうが、
一台一台ちゃんと鳴ってほしい楽器としては、これは問題ではないでしょうか?
確かに安く作るというのも大切なのかもしれませんが、
せめてこの皮張りだけでも、手作業で出来ないものでしょうか?
それと、今までの張り方では、皮を均一に張るというのはかなり無理があるようです。
6角の角の部分が張りきれないからです。(今までの張り方は、様々なHPで見ることができます)
このやり方で、ちゃんと均一に張れるのは、皮の中で縦横の伸び方の均一な尻尾に近い2.3枚でしかありません。
そういう意味でも、尻尾に近いこの部分が最高の皮とされるというのは解る気がします。
私の場合は、角と辺の部分12か所を個別に引っ張りますから、
全ての部分を均一な張力で張ることができます。
とにかく均一に張って、なおかつそれが維持されるためには、
木の部分が歪まないということが必要です。
胴の部分の木が歪みますと、それに伴って皮も歪みます。
ですから、老、と言う古い材料、良く乾いた材料を使うというのがとても大切なことになります。
それにしてもいくら100年乾かしても木は動きます、
当然、皮もそれに伴って動きます。
健全には鳴らないのです。
30年ほど前、ある仕事でカナダのモントリオールに、家具を送りました。
もちろん人工乾燥した良い胡桃で作って、
しかし、モントリオールについて半年して、その家具がとんでもなく狂いました。
組み合わせ部分が開いたり、抽斗が開かなかったりしてしまったのです。
解決策としては、モントリオールで作るということになり、
数か月向こうの工房を借りて作ることになりました。
二胡にもこのような事が起こり得ます。
これはいたし方の無いことです。
ですが、日本に来てしばらくして、メンテナンスを施せば、またちゃんと健全な状態を回復します。
二胡は、木工品です。
幾ら良い楽器でも、ちゃんとメンテナンスが必要なのだと、
改めて実感した、8カ月でした。
木は歪むだけ歪めば、ある程度の時間がたてば、動くと言っても大変小さな動きになっていきます。
その段階になったら、皮を張り替えた方が、楽器として良い状態が長く維持できます。
皮の歪みが原因の雑音や、高音のならなささ、
或いは、木部の欠陥による雑音や、なりの悪さなどは、
皮を張り替える時に内部の削り調整で直せます。
鳴らない、高音が綺麗に出ない、雑音がとストレス抱えて練習がいやになっている方、
是非皮の検査と、調整、或いは張り替えお勧めしたいと、ツクヅク想った
8カ月でもありました。
また、迷子の西野二胡2台が有ります。
このブログを読んでいる方、或いはお近くでその胡達を見かけた方いらっしゃったら、
光舜堂に調整に来て下さいと、西野が申していたとお伝え願えませんか?
今どんな状態かとても気になっています。
一度光舜堂にその胡達連れて、調整にいらっしゃって下さい。
今年8カ月、こんなマニアックなブログに来ていただいて、
読み続けていただいた方々が、48000人いらっしゃいます。
大変ありがたいことです。
全ての二胡を健全に鳴らしたいと言う欲求が、益々高まってきた8カ月でした。
本年は様々な有益なコメントもいただき、ホントに多くの方ともお近づきになれ、
大変多くの御助力もいただきました。
人生の最後を、二胡作りにかけようという思いを大変強く持てた年でした。
来年は、更に輪をかけて、マニアックなブログにと考えております。
どうぞよろしくお願いします。
良いお年をお迎え下さい。皆さまの二胡が来年も皆さまを楽しませますように。
光舜堂店主
西野和宏
たくさんの人と出会い、
たくさんの二胡と出会いました。
光舜堂の初日、突然、光舜堂には似合わない、いまどきのお嬢さんがいらっしゃって、
「おめでとうございます」
お祝いの品を手渡されました。
????、何方?だれ?
その場にいた店番ズたちも怪訝な顔、
「Hです」
えっーーーーーーーーーーーーーー?
あの
実直そうな、気まじめを絵にかいたような。
それこそ蛹が蝶に、
ひらひらと流行りのロングスカートをひるがえしてまた渋谷の街に、
華やかな、幻想的なスタートになりました。
多分最初のころは、(今でも)二胡売るという感覚はなかったと思います。
どちらかと言うと、なんとなく感じていた、二胡医になれれば、良いかな!
それまで二胡作り始めて1年半、
100台以上の二胡に触れて感じていた、
ちゃんと鳴らしてやりたいという思いが通じたのかもしれません。
たくさんの二胡、調整も含めて、治してきました。
一番多いのは、やはり皮でした。
二胡は皮が全て、と言う二胡作りの方が沢山おられます。
私としては、基本は木の胴と棹と言う考えです。
何故なら、鳴るのは木の胴と棹だからです、
だからこそ、紫檀の音色は、黒檀の音色は、やはり老紅木がと言ういい方をする割に
皮が全てと言ういい方は、良く解りませんでした。
木の部分はこれは取り換えが効きません。
大切にメンテナンスをしながら使えば200年も300年も保つものです。
皮は、振動を与え続けるのですから、いずれは痛みます。
多分12,3年、長くて20年、
張り替えが必要になる部分です。
ただ、私が思っていたより、大変多くの皮が歪んでしまっていました。
殆ど80%位が、折角木の部分は良く出来ているのに、
皮が歪んでいると言う感じは否めません。
原因は、最初から、と言うのもあります。
このことは、皮を量産体制で張っているということに依ります。
皮は一枚一枚違う伸び方をします。
ましてや、縦横の伸び方も違えば、左右の伸び方も違います。
当然でしょう、同じ蛇はいないのですから。
プラスティックとは違います。
と言うことは、本来量産的な張り方は出来ないはずなのです。
金額的な問題として、そのような量産の方法で張るのでしょうが、
一台一台ちゃんと鳴ってほしい楽器としては、これは問題ではないでしょうか?
確かに安く作るというのも大切なのかもしれませんが、
せめてこの皮張りだけでも、手作業で出来ないものでしょうか?
それと、今までの張り方では、皮を均一に張るというのはかなり無理があるようです。
6角の角の部分が張りきれないからです。(今までの張り方は、様々なHPで見ることができます)
このやり方で、ちゃんと均一に張れるのは、皮の中で縦横の伸び方の均一な尻尾に近い2.3枚でしかありません。
そういう意味でも、尻尾に近いこの部分が最高の皮とされるというのは解る気がします。
私の場合は、角と辺の部分12か所を個別に引っ張りますから、
全ての部分を均一な張力で張ることができます。
とにかく均一に張って、なおかつそれが維持されるためには、
木の部分が歪まないということが必要です。
胴の部分の木が歪みますと、それに伴って皮も歪みます。
ですから、老、と言う古い材料、良く乾いた材料を使うというのがとても大切なことになります。
それにしてもいくら100年乾かしても木は動きます、
当然、皮もそれに伴って動きます。
健全には鳴らないのです。
30年ほど前、ある仕事でカナダのモントリオールに、家具を送りました。
もちろん人工乾燥した良い胡桃で作って、
しかし、モントリオールについて半年して、その家具がとんでもなく狂いました。
組み合わせ部分が開いたり、抽斗が開かなかったりしてしまったのです。
解決策としては、モントリオールで作るということになり、
数か月向こうの工房を借りて作ることになりました。
二胡にもこのような事が起こり得ます。
これはいたし方の無いことです。
ですが、日本に来てしばらくして、メンテナンスを施せば、またちゃんと健全な状態を回復します。
二胡は、木工品です。
幾ら良い楽器でも、ちゃんとメンテナンスが必要なのだと、
改めて実感した、8カ月でした。
木は歪むだけ歪めば、ある程度の時間がたてば、動くと言っても大変小さな動きになっていきます。
その段階になったら、皮を張り替えた方が、楽器として良い状態が長く維持できます。
皮の歪みが原因の雑音や、高音のならなささ、
或いは、木部の欠陥による雑音や、なりの悪さなどは、
皮を張り替える時に内部の削り調整で直せます。
鳴らない、高音が綺麗に出ない、雑音がとストレス抱えて練習がいやになっている方、
是非皮の検査と、調整、或いは張り替えお勧めしたいと、ツクヅク想った
8カ月でもありました。
また、迷子の西野二胡2台が有ります。
このブログを読んでいる方、或いはお近くでその胡達を見かけた方いらっしゃったら、
光舜堂に調整に来て下さいと、西野が申していたとお伝え願えませんか?
今どんな状態かとても気になっています。
一度光舜堂にその胡達連れて、調整にいらっしゃって下さい。
今年8カ月、こんなマニアックなブログに来ていただいて、
読み続けていただいた方々が、48000人いらっしゃいます。
大変ありがたいことです。
全ての二胡を健全に鳴らしたいと言う欲求が、益々高まってきた8カ月でした。
本年は様々な有益なコメントもいただき、ホントに多くの方ともお近づきになれ、
大変多くの御助力もいただきました。
人生の最後を、二胡作りにかけようという思いを大変強く持てた年でした。
来年は、更に輪をかけて、マニアックなブログにと考えております。
どうぞよろしくお願いします。
良いお年をお迎え下さい。皆さまの二胡が来年も皆さまを楽しませますように。
光舜堂店主
西野和宏
楽しみにしております。
お互いに頑張りましょう、
プロ目指して、
良いお年をお迎え下さい。