二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を育てる、ケースから取り出そう。

2016-05-06 09:50:56 | ■工房便り 総合 
皆さんにも覚えがあると思いますが、

久しぶりに、そうですね、たぶん数年ぶりに、初心者のころに弾いていた二胡をケースから取り出して、

弾いてみると、

これが、「あれ!なかなか良い音がする!」

この時気が付くのは、ケースから取り出してすぐは、そんなにも鳴らない、むしろ、ガサガサした音、

それが10分20分と弾いていくと、先程のあれ!良い音だったんだ。となります。

これは勿論、みなさんが腕をあげているということもありますが、

楽器自体が育ってきているということも言えるのです。

何で何にもしてないでケースに入れておいただけなのに、!

しかし時間がたつと、木自体も変化するのです。

特に花梨材などで作られた、二胡は、ホントにまっさらの内は皮も硬く、

木自体もそれぞれの主張をしてしまうようなほどがさつきが有りました。

しかし木は時間がたつと乾きます。

すると縮みます。

そうすれば皮は緩んで柔らかくなります。

ケースから取り出してしばらく弾き込むと皮も馴染んで、適度な硬さの良い二胡に変化してくる場合も多いのです。

これ、勿論、ずーっと弾き込んできていたら、かなり良い音になっていたのだと思います。

所が皆さん、習い始めてから1,2年でもっと良い楽器と思い次の楽器を購入してしまっていることが多いのです。


もうすぐ光舜堂は始めてから6年になります。

そのかん診てきた楽器、2500本を越えます。

最近になって、多いのは、友人から古い楽器譲ってもらって、二胡始めようと思うのですが、

その前に調整して下さい。という話です。

あるいはネットのオークションで、安いの購入したんだけれど使えますかね?

ほとんどが、5年以上前古い物になると20年くらい前の物があります。

正直、今高級と言われている30万40万円する物より良い鳴りをすることが多いです。

確かに、古い、10年ぐらい前20年前の楽器を見ると、同じ花梨でもかなり硬度の有る楽器、

要するに木自体が硬いものが多いです。

たぶんその頃までは未だ家具や家の飾り柱などに使われていた古い材料を使っていたと言われています。

同じ花梨でも最近の楽器は材料としては新しいものが多いのです。

色々な楽器屋さんの、HPに、明清老紅木などと書いていますが、

これらがほんとかどうかは弾いてみるとわかります。

正直そんな古い木が今まだあるのかという気がします。(たぶん10年以上前の物にはあったかもしれませんが???)

ましてやどういうルートかわかりませんが、それだけの最高級の木で作られた楽器が、

本場を離れて、へき地の日本に来るというのは、考えにくいですね。

私が本場で二胡を作っていて、それだけの良い木が手に入ったら、当然本場のプロに渡したいですし、

僻地の日本に譲ってやるなど出来ません。

(そういう意味で今私の持っている、インドの小葉紫檀の材で出来た二胡は、絶対日本人以外には売りたくないです、たまに問い合わせが本場の方から、有ったりもしているのですが、何しろ40年以上前に日本に入ってきた小葉紫檀ですから)

木は寝かせておいただけでも育ちます。が、

先日、たまたま、4,5年前に作ったシャム柿が光舜堂に集まりました。

実感として、そのシャム柿だけを弾いているというお二人の楽器はとても良く育って行って、良い音!!!

また、先日、マイクチャンさんが光舜堂へきて、たまたま集まった方の中に、3年前の私の作った小葉紫檀の楽器が有り、

マイクさんに、最近作った楽器をいろいろ弾いてもらったのですが、

マイクさんがこれは良い音と、手放しでほめたのは、北川浩子さんが弾き込んでくれていたその小葉紫檀の楽器です。

やはり一台だけを弾き込んでいくと楽器は、とんでもなく良い音になっていきます。

付けたしですが、、

気を付けてほしいのは、それでは古くなるまで待とうなどと、ケースの中に入れて、押し入れの中などで保存していると、蛇皮が湿気でやられます。黴て白くなって皮がもろくなります。

ですから古い楽器でもなるべくケースから出しておいてください。

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