二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を育てる。振動。

2016-05-05 11:20:27 | ■工房便り 総合 
初心者の人が二胡を弾くと、なんだかとても雑音ぽく聞こえます。

皆さんも覚えがあると思います。

その同じ楽器を、上級者の人が弾くと、別の楽器のように良い音がしたりもします。

これ皆さん疑問に思ってきたと思います。

そこで二胡弾きの方々が、先生方のライブに行くと、

皆さん真剣に、演奏者の右手を見ています。
(これ、演奏している人からわかるらしいです、真剣に右手を見ている人は二胡愛好家だなと、)

弓の動かし方もスピードも自分とほとんど変わらないのに、なぜ、この人はこんな良い音がするのだろうと、

一度でも、思わなかった人はいないと思います。

どうしたら先生のように良い音がするのかと、聞かなかった人もほとんどいないと思います。

二胡は、全てのパーツで、27ケあります、弦や駒あるいは頭の牛骨まで含めてです。

この、全てのパーツがまったく違う基本音を持っています。

ですから、二胡が弾き込まれて強い一つの振動に統一されるまで、本来ならば雑音の塊なのです。

27人の、子供たちが勝手におしゃべりをしているようなものです。

それを先生が指揮をして、一つの音楽を一定のテンポで、統一された抑揚で、歌わせると、

天使の声になります。

その指揮者に当たるのが、二胡の場合は皆さんです。

ですから皆さんが一定の弓のスピード、そして、弦に当たる強さ、で弾き込んでいくと、

27のパーツは統一されていきます。

何も木にしたって、まさか自分が楽器に作られると思って育って来ていませんから、相当強い個性を持っているのです。

要するに楽器に覚え込ませるのです。

それにはいつもいつも同じ強さと一定のスピードで、弦を鳴らせることが必要です。

木にしろ蛇皮にしろ、なかなか頑固で、自分の音というのを強く主張します。

それを一定のスピードで皆さんが弾いてやると、

その弦の振動が、それぞれのパーツの主張を整えていきます。

弦にしろ、新しく替えたばかりでは、一定の音になりませんね?

しばらく弾き込まないと、安定しません。

その弦を支える木軸が不安定だったら、いつまでも弦一定の振動をしないのです。

まずは弦を安定して鳴らせる状態にして行くのが、二胡の、楽器の調整です。

そしてレッスンではまず先生と一緒に、ボーイングの基本をやりますね。

これは完全に身につくまでやらないといけませんね。

日常生活では、こんな弓を水平に動かすことなどやってきていませんから。

みなさんの体は、手は、今まで生きて来て使ってきた筋肉で出来ていますから、

弓を一定のスピードで動かす筋肉が出来ていません、

筋肉が付かなくとも、その動きをコントロールするようになるだけでも大変です。

そこで良い弓が必要なのです。

音程して動かしやすい弓と言うのが有れば、皆さんはそれを支えるだけで良いですから。

それらの非日常的な、手の動き、一定の力で一定のスピードで動かすことで、一定の振動が生まれます。

そうすると指揮者を得た子供たちのコーラスのように、天使の歌声になるのです。

後はその歌声を望んで、日々、練習ですね。















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