二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器屋の役割、その8

2011-10-17 11:16:19 | ■工房便り 総合 
先日3年前に購入した、トラックが、突然交差点内で止まりました。

もちろん青信号で交差点に入ってはいたのですが、止まった以上信号は赤に変わります。

後ろのトラックのクラクションやら、目の前の横断歩道を渡る、歩行者の目線やら、

これは大変でした。

幸い?白バイがすぐに来て、事情を説明したらすぐに、手信号で対応してくれました。

普段は、あまり快くは思っていない、白バイに感謝です。

いた仕方なく、ギアをニュートラルに入れて、助手席降りて、後押ししました、さすがにトラックは重いです。

随分、多分この20年ほど、何台かの車のり変えてきましたが、こんな信号内で止まるような故障する車にはであっていませんでした。

それ以前はチョコチョコと有りました。

若気の至りで購入した、ミニクーパーや、ジャガーなどなど、

何度、JAFを頼んだかしれません。

たまたまだったのか、私の乗った外車は、壊れやすい、とつくづく思い、二度と、外車にはのっていません。

(今の外車はそうではないかもしれませんので、悪しからず)

今の日本車が、こんな止まり方をするとは思いませんでした。

まあ、だからこそ、未だに車の修理屋さんというのは有るのでしょうが、

弦楽器は、今の日本車の精度は有りません。

もともと、良く鳴らすために、限りなく、その材料としては、薄く作っています。

バイオリンの側板、1,2mmの厚みです。

表の板は一番薄いところでは、2,3ミリの厚みきり有りません。

底に弦の圧力が、10キロぐらいかかり、手の重さが数キロかかります。

これを何万回となく、繰り返すのです。

二胡も、胴の厚みは平均すると、6ミリぐらいです。一番薄い皮を張るあたりは、2mm程です。

木軸の差し込んである穴の脇の木の厚みは、3ミリぐらいでしょう。

その上、木は縮みます。

縮もうとする木の間に、木でできた花窓が入っています。花窓がしっかりしていれば、胴の木の縮みは、他に逃げます。

おかげで、胴をつけている、ニコワは剥がれてしまいす。

木が縮めば、木軸の丸さも歪みます、当然ガタツキが出ます。

すると、空弦の雑音になります。

銅の木が縮むと、皮は緩くなります。

均等に縮んでくれるように作ってあるわけではありませんから。当然皮の張力も歪みます。

棹も痩せれば、木軸も痩せ、あちこちガタがきます。

折角ピンと張ってあった、皮も緩みもしますし、剥がれてきたりもします。

全ての材料が、縮んで、歪んでくる方向に向かいます。

これはいたし方ありません。

名人と言われる人の作った二胡は、これらの事をすべて考慮したうえ、なおかつその狂ってくる木の合わせて、或いはなるべく狂わないように、或いは狂ったとしても、なんとかなりを維持するように考えられて出来ています。

ところが今日本に入ってきている、外二胡はここまで、考慮されている物は、ホントに少ないと思います。

良い状態の二胡と言うのは、木がちゃんと乾いているかどうか、

せめて、含水率、17%以下になっているかどうか?

胴の木が、同じ木の同じ部分で取られているか。

胴を組んでから、最低でも、2,3ヶ月の乾燥期間を置いているか。

皮が綺麗に、脂肪とりをされているか。

これ最低限のはずなのですが、、、、、

更にいえば、棹は同じ木の硬い部分を使っているか、

胴は同じ木の柔らかい部分を使っているか。

皮は、尻尾に近い伸び率が平均した物を使っているか、

皮の張る前の、荒絞りが何回されているか。

そのような事を見極められる力が、楽器屋には必要なのだと思います。

有るメーカーの物を常に、仕入れていたとしても、同じ皮は有りませんし。

同じ木でもありません。

黒檀等は、今はもう直径30センチの物が有れば、いうこと無いというほど太い物は無くなっています。

太い木程、安定しています。

人も木も、若いほど、暴れやすいのです。

この項続く





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