二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

閑話休題(二胡を作る?調整)

2010-11-29 19:09:36 | ■工房便り 総合 
もしかしたら、こんなに調整一つで、

音色も音も、響きも変わる楽器と言うのはないのではないか?

と思います。

他の弦楽器は、いじるところがさほどないと思います。

もちろん、プロのの話ではありません。

バイオリンや、チェロなどの胴の中に立つ、根柱は、

ミリ以下の、精度が要求されると言います。

当然そうでしょう。

制作者によっては、その立つ位置も違うようです。

しかし、これは素人には、出来ません。

三味線なんかは、駒がかなり大きい調整部分として有ります。

10数種類あるみたいです。

1匁、2匁と、重さの違いで使い分けるようです。

今は、材料は水牛の角ですね。

昔は、木の物もあったようです。

そして、弦。

これも本番前に、弾きこんでの鳴らしと言うのが有ります。

2、3時間弾きこんでから、一舞台使うようです。

この弾きこみに依って、鳴りが違うと言います。

沖縄の三線等も、駒の大きさや、太さなど、曲によって変えていたという人もいます。

基本的に、演奏家が調整をするというのが、

これら、皮を振動板として使う弦楽器にあるようです。

二胡もそうです。

それぞれの演奏家が、これが良いという、

千斤、

駒、

弦、と色々組み合わせします。

でもこれには少し問題があります。

楽器の制作者が同じだとしても、楽器はそれぞれ違うからです。

皮も違えば、木も違います。

たまたま、ある演奏家の楽器には、ある調整が合っていたとしても、

その方が、同じ工房から仕入れた二胡だとしても、

木も違えば皮も違います。

大きく違います。

ですから、どんな千斤の糸を使うか、

どんな駒を使うか、

どんな弦を使うか、基本的な事は同じだとしても、

その千斤の巻き具合(回数)高さ、締め方、等変わります。

駒は言うまでもなく変わります。

弦は、多少、好みも入ってくるでしょう。

問題は固定千斤です。

もちろん、この固定千斤に合う楽器と言うのもあるとは思います。

しかし、高さが変えられないということで、

本来その楽器の持っているポテンシャルを十分出しきれないことも、多々、

あります。

しかし、このことについて、私は先生ではないのでとやかくは言えません。

しかし、楽器を鳴らすと言うことでは、私自身の考えもあります。

その二胡一台一台に合わせて、自由に、響かせてあげたい、と言うことです。

楽器屋さんによって、先生によって、いまは、それぞれの考え方で調整しています。

しかし、これは良いという方法が、全ての二胡それぞれに合わせるという方法ではないのです。

流派のように固定しているのが、私には残念で仕方ありません。

もっと鳴らせてあげる、と言う、そう言う仕事でありたいです。

この考えはどうでしょう、

それには、作る部分にまで踏み込まないと、楽器を鳴らしきれません。

作れなくとも、です。

誰かいませんか?

こういう二胡の調整師やってみたいという人は、

これはこれで一つの仕事であると言えます。

このことは、演奏家にも、先生にも出来ることではありませんし、

また作る人でもなりきれません。

何故なら、作る人は、楽器を追えないからです。

出したら、後はメンテナンスで戻ってくるのを待つしか仕方がないからです。

その時に時間経過した皮や、木に合わせて、調整するには向いていないような気がします。

或いは、中国では出来る人がいるのかもしれません、もちろんいるでしょう。

でも調整ぐらですと、殆ど楽器屋さんがやっているようです。

しかし、私の処に持ち込まれてくる二胡、みる限り、

十分に鳴らすという考えの調整ではないような気がします。

西野和宏
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6 Comments

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それならば (Jimmy)
2010-11-29 21:08:42
当然ワタクシの出番でございましょう(笑

是非勉強させてくださいまし。本当は作ることもやってみたいんですけどね。

なんか完全に釣られた感じ(笑
返信する
わたしも勉強させてください! (すう)
2010-11-29 21:33:20
正しい二胡の調整のしかたを広めて
わたしのように二胡によかれと、蛇皮に油を塗ってしまい、泣く泣く皮の張り替えをする人がいないようにしたいです。
(結果的にはある意味正解だったけど...)
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Unknown (やすぞ~)
2010-11-29 22:34:13
素敵なお誘いですね!
返信する
Unknown (ka-mo)
2010-11-29 23:07:41
大変必要性の高いお話だと思います。

ピアノ調律師は職業として広く認知されていますが、(世に出ている
ピアノと二胡の台数の差は大きいと思いますけど)二胡人口が増えた昨今、
調律師として『縁の下の力持ち役』が不可欠であると強く感じます。

とても素敵なお話で、私も勉強させて頂きたくなってしまいます。

二胡を弾かれる方々は心のどこかで少なからず自分で調整できたらなぁと
思われていらっしゃるのではないでしょうか……
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Unknown (オトヨ)
2010-11-30 14:34:29
二胡調律師なんて、年齢のいった楽器ど素人にもできるんですか?だったら、みんなやりたいでしょうねー。講習会あったら、通います。
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オトヨさん (nishino)
2010-11-30 17:34:31
講習会ですか?

考えていなかったですね。

元々徒弟制で育ったからかもしれません。

日々の営業の中で、覚えるのが一番なのですよ、実際的ですからね。

何か方法考えます。

興味があったら来て下さい。

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