二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

松節の良い駒は何故少ないのか。

2020-11-28 14:13:40 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
これは中国の広州の脂松・肥松(やにまつ・こえまつ)の木口です。



よく見ると冬目茶色の濃いところと、白い夏目が、かなり厚みもバラバラですね。

植物の育つ間の気候的な環境によって、冬目が厚かったり薄かったりします。

これを最終的に、このように、二胡の胴の皮と水平になるように、切っていかなければいけません。

それには鋸で製材するのではなく木目に沿うように楔で割っていきます。



すると、このように木目に沿って割れますね



更に幅も同じく木目に沿って製材します。これは丸鋸では木目に沿わないのでバンドソウで切ります。



これを大まかな大きさに切りだして、冬目の厚いところが上に来るように穴を空けます。



それから削り込んで駒の形にします。

最終的には、200度くらいの温度をかけて、木を乾燥しますと、出来上がりです。

松節はとてもよい鳴りがします、しかし、単に機械加工ではなくこのように手作業で木目を水平に取るようにしなければいけないので

作る人が減ってしまったのかもしれません。昔は松節が沢山あったのですが。

いくら、工場系の人件費が安いとは言っても、他の駒が、10元20元で作られていることを考えると、とても採算に合わないのでしょうね。

私も実際に作ってみて、思いました。

しかし、ぽつぽつと各地の先生や、ニコミュージックラボさんなどご要望に応じて作ってはいます。

ただ駒は、皮の進化に従って高さを合わせないといけませんから、それが分かって合わせる作業をいとわない方のご要望に応じるくらいです。

あとは、調整で楽器を送ってくれた人などの相談に応じて作っています。

これはほぉさんに怒られるかもしれませんが、駒を作ってみたい人にこの松節の材は多分市販されていませんから、送ってあげてもよいです。封筒で送れますしね。(ただ事務能力が恐ろしく低いですから悪しからずご了承ください)


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