二胡工房 光舜堂

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竹のひび割れ。

2019-03-19 14:00:44 | 二胡の救急箱・補習講座
昨日、ある二胡の演奏家と話していて、弓についてです。

二胡の弓の竹は、長持ちしないのではないか?

という話になりました。

曲がったり、細かい亀裂が入ったり。

竹は、かなり油分が多いです。

乾燥して、その油分が抜けた状態の硬さが、弓にはとても良い反発力としなりを作り上げます。

ですから、弓の竹は、自然に乾かすか、人工的に乾かしてから使います。

最近ではとても少なくなりましたが、昔は竹の垣根などもあり、

最初は青かったものが、一年もすると、だんだん茶色になり、

2・3年すると、細かいひび割れができてくる、などというのをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

最近では、飲食店に行くと、竹の割りばしがとても増えてきています。

竹の繁殖力はとても強いですから、どんどん成長し、

大量に消費する割りばしとしては最適なのかもしれません。

あれはよく乾燥されていて、絶乾(含水率10%以下)になっています。

持ったことのある方はお判りでしょうがとても細いのに硬いのです。

竹は乾燥すると硬くなります。

硬くなることによって、適度な反発力も持ってきますが、

乾きすぎると、ひび割れを起こすこともあります。

今までの二胡の弓というのは消耗品ですから、割れてくる頃には、

馬毛も抜けてきて松脂も乗りにくくなり、結局は廃棄することになります。

ですからそれほどの問題にはならなかったのでしょう。

二胡の弓でかなり高級なもののなかには、赤や黒で塗装されて物が、かなり多いですね。

あれは、高級な性能のものを作るために、火にかけ乾燥させると、ひび割れたり、

茶色くまだらになったりするのを、見た目に悪いとのことで上から覆っているのです。

竹は空気に触れていれば、いずれはひび割れてきます。



しかしこのひび割れは直りますし、

むしろ多少のひび割れが入ることにまで乾いた二胡の弓は、弓としてはとても良い反発力を持つようです。

2.3年で消費しない福音弓は、最初からかなりかわかしてあります。

ですから弓を作る前にもうひび割れを起こしているものもあります。

昔から桐子ちゃんには言われていましたから、それらのひび割れを塗装で覆ったりはしません。

ボンドをそのひび割れに入れ、締め上げて、直してあります。



竹のひび割れは直しさえすれば,そのまま裂けていくようなことはありません。

また竹は熱をかけて加工してありますから、どういうわけかあとから曲がることもあります。

また、力を入れて同じような使い方をすると、ある一部が曲がることもあります。

これらも、再度熱をかけると曲がりは直ります。

稀にあとから熱をかけたところが、さらに曲がったりもしますが、

これも治ります。

いずれにせよ、二胡の弓は自然の竹を使っているのだという事です。
(ちなみに、ペンギン工房さんは、カーボンの二胡弓を作っています)

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