これは緑檀と言われる材料で作られた二胡です。
これの質問も多いですね。
基本的に緑檀とは、中南米に自生する、リグナムバイダのことを指します。
リグナムバイダは、地球上で一番重い、比重の重い木です。
通常よく乾かしてからも、1.28の前後の比重を持ちます。
要するに水に沈みます。
そして油分がとても多く、船のスクリューの軸受けに使われるくらいでした、
潤滑油が要らなかったのですし、硬かったのです。
この油分の多さで緑檀は独特の響きがあります。
音色はとてもクリアーです。
導管まで油分でしっかり埋まっていますので、それほど響くという事ではないのですが、
木が古くなってくると油分が抜けて、音も大きくなっていきます。
緑檀(リグナムバイダ)と言った時に一番の問題は、とても偽物が多い事です。
偽物と言うと語弊がありますね。紫檀にしてもどれが本当の紫檀なのかという事になりますから。
ですからここで訂正しておくと、リグナムバイダ以外の緑檀と言われるものもとても多いです。
大体が、今では細い材料が多く、とても楽器に作れるほどでは無く、
代わりにチーク系の木が、よく緑檀として、販売されています。
本物のリグナムバイダは、この写真のように、かなり黒いラインがシッカリと入っている事が多く、
この黒い部分がより黒くなっていき、いずれは全体に濃い緑がかった、黒い状態になっていきます。
かと言って、リグナムバイダ以外の緑檀が悪いという事ではありません。
チーク系の木は、明るく大きな音のするものが多く、多少重厚感が少ないですが。
金額も比較的安くむしろ花梨等のように扱われることもあります。
この緑檀、難点が楽器としては一つあります。
それは胴割れがとても多いのです。
リグナムバイダは、とても油分が多く、胴の6角形に板を張り合させても、
後々剥がれる事がとても多いです。
これは製作上の問題で、このように油分の多い木は、水性のボンドや膠(水性です)は、とても乗りにくく、
数年を経ずして、胴割れを起こすことも多いです。
むしろ胴が割れたからこそ、本物のリグナムバイダであるともいえるくらいなのです。
この画像の二胡も一部が胴割れを起こして修理することになったのですが、
修理の為に花窓を外した途端、全部が剥がれ、6枚の板がかろうじて、皮でつながっている状態でした。
しかし直すのは問題なくできます。
剥がれた部分の膠を削りとり、その後アルコールや、アセトンで接着させる部分を洗い出します。
こうすると、水性のボンドでも接着は可能です。
このリグナムバイダの二胡はこれからどんどん色が濃くなり、しまいに全体が緑がかった茶色になっていき
とても雰囲気のある二胡になると共にその頃には、油分も多少抜けて、クリアーな良い音色を響かせると思います。
もう直ったんですね、よかったーありがとうございます!
次にお伺いするときはCDMを持っていきますね
まあ、綺麗に直りました、調整して今週中には届きます。
業務連絡でした。
CDMもよろしくお願いします。
(そもそも白檀として売られていました…)
まだ手元にきて1年ちょっとですが結構色濃くなり、
鼻を近づけると独特の匂いも漂ってきます。
西野さんのお墨付きをいただいたからには
たくさん弾きこんであげなくては!