金属でできた糸巻き(金属軸)の二胡をお持ちの方へ、
金属軸は、微調整という点では非常に優秀です。
調弦が木軸に比べて大変容易で、早いです。
力のいらないという点でもすぐれた物だとは思います。
只、今の金属軸には二つの欠点もあります。
一つ目は、ボルト自体が鉄でできているのに、受けるナットが、真鍮でできているということです。
鉄は真鍮より硬いですから、いずれはナットの真鍮が削れてしまいます。
それから今使われているボルトの形状は、”締めこむため”のボルトなのです。
これは、ボルトの山がとがっています。基本的には”1度しっかり締めこむための形状”なのです。
”いつもしめたり緩めたりするため”のボルトの山は、上部が平らです。
減りにくくできています。
金属軸のボルトには、弦を引っ張っておくという役目があります。
常に3、4キロぐらいの荷重がかかっていると思われます。
ですからいつもこすられているのです。
その上、真っ直ぐなボルトばかりではありません。3ミリという比較的細いボルトですから手でも簡単に曲がってしまいます。
もし曲がったボルトがついていたとしたら、その金属軸の寿命は真っ直ぐなものより何倍かは短いのです。
ですから、このボルトとナットはいずれは交換しなければならない、と考えてください。
もちろんたまたま真っ直ぐなボルトで非常に丁寧に扱っていれば、中には10年以上もつものもありますが、
糸の巻き方が正確でなかったり、1度内部で弦がひっかっかたりすれば、痛みは早くなりますので気をつけてください。
ボルトは日本でも手に入りますが、ナットは日本では手に入りません。
作ることも可能ですが、量産しない限り1個7~8000円にはなってしまいます。
交換の手間まで入れれば、15000円前後になってしまいそうです。
何か方法を考えなければいけませんね。
今私の手元には、100個程の交換部品がありますから、しばらくは3000円くらいで直せます。(あまり内部まで痛めていなければ)
いずれにせよ、金属軸はいつかは交換が必要です。
もうひとつの問題は、金属軸の長さが短いということでしょう。
棹より先端までが32ミリきりありません。
通常木軸は38ミリあります。(中には30ミリぐらいのもあります)
弦が軸から出る位置が低いと、千斤を普通の20ミリぐらいの高さに設定できません。
20ミリ位にすると、駒を皮に押し付ける力が弱くなり、駒が浮くことが多くなり雑音の原因になります。
駒の高さを少し高くするか、千斤を15ミリ前後に下げてください。
二胡は弾きこんでいくと皮が緩みます。よほどうまく皮張りされていないと皮にゆがみが来ます。
その時に駒の高さや、千斤の高さなどで調整しなけば、良い鳴りにならないのですが、
32ミリという短い軸なので調整の幅が少なくなってしまします。
先生方のお持ちの二胡はこの点で問題は少ないと思います。
というのは、殆どの方が名人と言われる二胡つくりの方の作った物をお持ちですから。
でもそれらの二胡は普通手に入りにくいものです。
まだまだ日本の中では10年以上使い込んだ二胡をお持ちの方は少ないのではないでしょうか。
ましてや金属軸は余計少ないと思います。
皮も12、3年で交換が必要なものも多いということや、金属軸も交換が必要だということを実感された方は少ないのではないでしょうか。
(この点でも先生方の二胡は出来が違うと思われます。多分20年近くは良い状態が続くと思われます)
実感されたとしたら、それは何かしらのトラブルが原因で交換せざるを得なくなったからでしょう。
二胡も人と同じで、それぞれに個体差というものがあります。
金額には関係ないと思います。
ですからその個体差を御自身でしっかりと認識していれば、酷いトラブルにはならないと思います。
是非検診を欠かさないようにしてください。
大切な皆さんの胡ですから。
西野和宏
金属軸は、微調整という点では非常に優秀です。
調弦が木軸に比べて大変容易で、早いです。
力のいらないという点でもすぐれた物だとは思います。
只、今の金属軸には二つの欠点もあります。
一つ目は、ボルト自体が鉄でできているのに、受けるナットが、真鍮でできているということです。
鉄は真鍮より硬いですから、いずれはナットの真鍮が削れてしまいます。
それから今使われているボルトの形状は、”締めこむため”のボルトなのです。
これは、ボルトの山がとがっています。基本的には”1度しっかり締めこむための形状”なのです。
”いつもしめたり緩めたりするため”のボルトの山は、上部が平らです。
減りにくくできています。
金属軸のボルトには、弦を引っ張っておくという役目があります。
常に3、4キロぐらいの荷重がかかっていると思われます。
ですからいつもこすられているのです。
その上、真っ直ぐなボルトばかりではありません。3ミリという比較的細いボルトですから手でも簡単に曲がってしまいます。
もし曲がったボルトがついていたとしたら、その金属軸の寿命は真っ直ぐなものより何倍かは短いのです。
ですから、このボルトとナットはいずれは交換しなければならない、と考えてください。
もちろんたまたま真っ直ぐなボルトで非常に丁寧に扱っていれば、中には10年以上もつものもありますが、
糸の巻き方が正確でなかったり、1度内部で弦がひっかっかたりすれば、痛みは早くなりますので気をつけてください。
ボルトは日本でも手に入りますが、ナットは日本では手に入りません。
作ることも可能ですが、量産しない限り1個7~8000円にはなってしまいます。
交換の手間まで入れれば、15000円前後になってしまいそうです。
何か方法を考えなければいけませんね。
今私の手元には、100個程の交換部品がありますから、しばらくは3000円くらいで直せます。(あまり内部まで痛めていなければ)
いずれにせよ、金属軸はいつかは交換が必要です。
もうひとつの問題は、金属軸の長さが短いということでしょう。
棹より先端までが32ミリきりありません。
通常木軸は38ミリあります。(中には30ミリぐらいのもあります)
弦が軸から出る位置が低いと、千斤を普通の20ミリぐらいの高さに設定できません。
20ミリ位にすると、駒を皮に押し付ける力が弱くなり、駒が浮くことが多くなり雑音の原因になります。
駒の高さを少し高くするか、千斤を15ミリ前後に下げてください。
二胡は弾きこんでいくと皮が緩みます。よほどうまく皮張りされていないと皮にゆがみが来ます。
その時に駒の高さや、千斤の高さなどで調整しなけば、良い鳴りにならないのですが、
32ミリという短い軸なので調整の幅が少なくなってしまします。
先生方のお持ちの二胡はこの点で問題は少ないと思います。
というのは、殆どの方が名人と言われる二胡つくりの方の作った物をお持ちですから。
でもそれらの二胡は普通手に入りにくいものです。
まだまだ日本の中では10年以上使い込んだ二胡をお持ちの方は少ないのではないでしょうか。
ましてや金属軸は余計少ないと思います。
皮も12、3年で交換が必要なものも多いということや、金属軸も交換が必要だということを実感された方は少ないのではないでしょうか。
(この点でも先生方の二胡は出来が違うと思われます。多分20年近くは良い状態が続くと思われます)
実感されたとしたら、それは何かしらのトラブルが原因で交換せざるを得なくなったからでしょう。
二胡も人と同じで、それぞれに個体差というものがあります。
金額には関係ないと思います。
ですからその個体差を御自身でしっかりと認識していれば、酷いトラブルにはならないと思います。
是非検診を欠かさないようにしてください。
大切な皆さんの胡ですから。
西野和宏
上から7行目、「真鍮は鉄より硬いですから」これ逆ですよね。
つまらない上げ足取りですみませんm(_ _)m
他修理調整含めメール送ります。
多分真鍮ナットの方が緩んでいますね。
直りますか
お持ちの楽器の状態詳細が判りませんので、ここでは何ともお返事できません。
出来ましたら、状況詳細を下記アドレス、
info.koshundo@gmail.com
まで お問い合わせいただけますと、ご相談にのれると思います。
お気軽にご連絡くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。