このように言われて、今月に入ってもう3台も古い二胡が工房に来ています。
思い入れがあるからこそ。弾き込んできた楽器だからこそ、皮を張り替えてまた弾き込んでいきたい!
これこそ、私がやりたかった仕事に繋がります。
私が最初に二胡を作り始めたのは、家族の持っていた古い二胡の修理を何とかできないか?そこが出発点です。
工房で張替えを待っている楽器は、みなさんが今お持ちの様な、とても高級な二胡ではありません。
初心者のころに購入されて,そのまま一台だけ弾き込んできた、老紅木。
以前中国で購入した、思い入れのある烏木。
何台か持っているけれど、やはりこの二胡が一番好きと言われる花梨。
これらはみな塗装がされて、元の木の色とは違っていても、その塗装の剥げ合や、中には棹の曲がったもの、それらも含めてすべて直して、とてもよく鳴る状態に仕立てていく過程が、私には嬉しいですね。
勿論、自分の二胡も作ります。
でも、あえて言うとそれらはみな実験機、例えば、今回神戸の「あーるふぅ」さんに送ったCDMにしろ、どこまで高音が出せるのかと、皮の張り方も工夫しボンドの種類も変えて、張り替えること6っ回。
「この高音の出は、得難い」と鳴尾さんが自分のCDMと比べて言ったくらい良く出るようにはしてみました。
でも嬉しかったのは、鳴尾さんがその新しいCDMと比べても「自分が弾き込んできた音色は代えがたい!」といってくれたことです。金沢の孟さんも「自分が弾くからこの楽器は良い音になる」と自信を持っていってくれます。
これはどんな名器と言われる楽器でも同じでしょう。
理由は皆さんそれぞれに違っていても、この数カ月皮の張替えを依頼してこられた方々、みなさんその楽器の最大のポテンシャルが引き出せるように良い皮を張ってくださいとの依頼です。
やっと日本の二胡弾きさん達も、そういう思いを抱くような年数がたってきたのでしょう。
これから益々、二胡の皮張りは増えるような予感がします。やはりこの技術は繋げていかないといけないですね。
ネオちゃんにぽつぽつと伝えてはいます。
完全に伝えきるまで私ももう少しは頑張らないといけないですね。
他にも覚えたい方がいらしたら教えますよ!なるべく若い人が良いですかね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
寒いですよ。木工所は暖房ありませんから。
どこかでお会いできると良いですね。