さて、高音です。
高い音をを出すには、
高い音は振動として弱いですね。
皆さんご存知のように、音が高くなれば、弦の長さは短くなります。
短くなれば、振動幅も小さくなり、音は当然小さくなるということですね。
ですから普通に弾くと開放弦が一番大きな音がします。
弾いていて、開放弦に来た時いきなり音が大きくなって違和感を覚えた方は沢山いらっしゃると思います。
楽器作りとしては、これも問題の一つですが、これはある程度調整でも治せます。
千斤の位置と、棹からの高さで調整することも可能なのです。
調整しきれないほど、開放弦と、高い位置の音が違う場合も沢山あります。
高い音は、弦の揺れが小さいです。
その小さな揺れをきちっと拾ってやる方法、或いは拡大する方法があれば、
高い、音をかなりボリュームアップできるはず、と言うことから考えました。
バイオリンは、王音の音を鳴らす部分を、薄く削ってあり、
高音を拡大する方法をとってあります。
皮は、胴に張ってあります。弦の振動を直接拾うのは、この張ってある部分です。
ここの厚みを薄くすれば、小さい振動も拾い出すということです。
薄い物は小さな力でも揺れます。
後はどのくらいの量を薄くすれば、効率的かということと、
低音を出したときに、振動しすぎるのをどのように、抑えるのかという問題です。
薄ければ、低音の強い振動に耐えきれず音は、割れますから。
これは、もう失敗のやまずみです。
私が二胡を最初に弾いた時に、えッ、何でこの音普通に出ないのですか?
と言うのが先生に対する最初の質問です。
二胡は、そお言う物です。上手くなれば、ちゃんと出るようになりますよ。
と先生が弾いてくれたのですが、確かに私たちよりは、大きい音がしました。
しかし、私が、最初にチェロ弾いた時には、下手ながらも、全音出たという経験がありました。
いたずらでバイオリンを弾いてもちゃんと出ます。
それから、色々楽器屋さんを訪ねてみた時にも、同じ答えでした。
二胡は高い音が出にくい、雑音は出る物です。
上手くなってもですか?
そうです。後は良い皮を張った楽器を買ってください。これなんかは良いでしょ。?
おいおい、まだ2本目はいらない。
良い皮、そこに二胡の、音の全てがあるようでした。
そうなのか?、他に方法ないのか?
胴の方を工夫すると言うのは無いのだろうか。
こことここを薄くして、ここを厚くすれば、音の振動全部拾うのではないか。
結局たどり着いたのが、暑い皮を、かっちりと張る。
これは大前提です。
その皮を張る部分の半分を今までの二胡より薄くする。
皮は、胴に近いほど薄くし、また厚みを変えます。
今までの二胡は、皮を張る部分で、3ミリぐらいあります、
それを1、8ミリにする、それには、それだけ薄くても耐えられす良い木を使い。
その薄くしたところの脇に、暑い部分(7ミリくらい、材によって違います)の量で、音の割れは防ぐ、
このバランスです。
たぶん、
多分ですよ、最初の今の二胡の原型になった時の木の種類は花梨ないしは、
マホガニー(老コウボク?)だったのではないでしょうか。
ですから、花梨や、老紅木というわれる比較的柔らかい素材は、とても良く鳴ります。
ですから今の、厚みが設定されたのではないでしょうか?
それより硬い、黒檀やローズウッドは、あるいは、アフリカ紫檀と言われているような木は厚くて鳴りきれず、高音が出にくいというのは無いだろうか?
と考えてしまいます。
また、皮は如何に弾力があって、なおかつ硬く出来るか。
皮のどの部分が、高音を拾い出すのか、低音は?(これらのことは、マニアック偏に書きます)
やっと出来上がったのが、今回の、ジョージガオモデルです。
ジョージガオ師の使っている、二胡と、今までの光舜二胡の高音部の組み合わせ。
全体としては、戦前の私の母親が持っていた二胡がベースになっています。
光舜二胡は、北京系の内部構造と、6角と言う倍音の多い物の組み合わせです。
ですから音はかなりクリアーですが、いわゆる蘇州型より、音の揺れは少なく、
ヨーロッパの楽器と一緒に弾いても、違和感のないタイプの音作りを目指しました。
今回の西野二胡(ジョージガオタイプ)は、蘇州系の構造の拡大版と、
皮の特殊加工で、全音がスムーズに鳴るタイプ。
音としては、蘇州型の響きと、そのまま続いていく高音部と言う感じですかね。
もちろん、1台1台、木も、皮も違います。
私の弾く腕ではかなりの違いの音になってしまいますが、
(これは以前から思っていた所なのですが、上手い人ほど、楽器の違いに影響されないし、
それなりに弾いてしまう。また楽器の音色に頼らない))
ある演奏家に弾いてもらったところ、
基本的には、私の望んだ方向は出来ているということです。(腕がないのがつらいですね)
さて23日、大阪で、これら光舜二胡、西野二胡、皆さんに弾いていただきたいと思います。
突然ですが、ジョージガオモデルの先行発表と言うことになってしまいました。
忌憚のないご意見いただければ幸いです。
西野二胡、なんぼのものじゃい!と手ぐすね引いていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
悪口罵倒、なんでも聞きます。
良いご意見で有れば、今後の参考にさせていただきます。
みなさんの御来場、謹んで、お待ちしております。
光舜堂店主 西野和宏
高い音をを出すには、
高い音は振動として弱いですね。
皆さんご存知のように、音が高くなれば、弦の長さは短くなります。
短くなれば、振動幅も小さくなり、音は当然小さくなるということですね。
ですから普通に弾くと開放弦が一番大きな音がします。
弾いていて、開放弦に来た時いきなり音が大きくなって違和感を覚えた方は沢山いらっしゃると思います。
楽器作りとしては、これも問題の一つですが、これはある程度調整でも治せます。
千斤の位置と、棹からの高さで調整することも可能なのです。
調整しきれないほど、開放弦と、高い位置の音が違う場合も沢山あります。
高い音は、弦の揺れが小さいです。
その小さな揺れをきちっと拾ってやる方法、或いは拡大する方法があれば、
高い、音をかなりボリュームアップできるはず、と言うことから考えました。
バイオリンは、王音の音を鳴らす部分を、薄く削ってあり、
高音を拡大する方法をとってあります。
皮は、胴に張ってあります。弦の振動を直接拾うのは、この張ってある部分です。
ここの厚みを薄くすれば、小さい振動も拾い出すということです。
薄い物は小さな力でも揺れます。
後はどのくらいの量を薄くすれば、効率的かということと、
低音を出したときに、振動しすぎるのをどのように、抑えるのかという問題です。
薄ければ、低音の強い振動に耐えきれず音は、割れますから。
これは、もう失敗のやまずみです。
私が二胡を最初に弾いた時に、えッ、何でこの音普通に出ないのですか?
と言うのが先生に対する最初の質問です。
二胡は、そお言う物です。上手くなれば、ちゃんと出るようになりますよ。
と先生が弾いてくれたのですが、確かに私たちよりは、大きい音がしました。
しかし、私が、最初にチェロ弾いた時には、下手ながらも、全音出たという経験がありました。
いたずらでバイオリンを弾いてもちゃんと出ます。
それから、色々楽器屋さんを訪ねてみた時にも、同じ答えでした。
二胡は高い音が出にくい、雑音は出る物です。
上手くなってもですか?
そうです。後は良い皮を張った楽器を買ってください。これなんかは良いでしょ。?
おいおい、まだ2本目はいらない。
良い皮、そこに二胡の、音の全てがあるようでした。
そうなのか?、他に方法ないのか?
胴の方を工夫すると言うのは無いのだろうか。
こことここを薄くして、ここを厚くすれば、音の振動全部拾うのではないか。
結局たどり着いたのが、暑い皮を、かっちりと張る。
これは大前提です。
その皮を張る部分の半分を今までの二胡より薄くする。
皮は、胴に近いほど薄くし、また厚みを変えます。
今までの二胡は、皮を張る部分で、3ミリぐらいあります、
それを1、8ミリにする、それには、それだけ薄くても耐えられす良い木を使い。
その薄くしたところの脇に、暑い部分(7ミリくらい、材によって違います)の量で、音の割れは防ぐ、
このバランスです。
たぶん、
多分ですよ、最初の今の二胡の原型になった時の木の種類は花梨ないしは、
マホガニー(老コウボク?)だったのではないでしょうか。
ですから、花梨や、老紅木というわれる比較的柔らかい素材は、とても良く鳴ります。
ですから今の、厚みが設定されたのではないでしょうか?
それより硬い、黒檀やローズウッドは、あるいは、アフリカ紫檀と言われているような木は厚くて鳴りきれず、高音が出にくいというのは無いだろうか?
と考えてしまいます。
また、皮は如何に弾力があって、なおかつ硬く出来るか。
皮のどの部分が、高音を拾い出すのか、低音は?(これらのことは、マニアック偏に書きます)
やっと出来上がったのが、今回の、ジョージガオモデルです。
ジョージガオ師の使っている、二胡と、今までの光舜二胡の高音部の組み合わせ。
全体としては、戦前の私の母親が持っていた二胡がベースになっています。
光舜二胡は、北京系の内部構造と、6角と言う倍音の多い物の組み合わせです。
ですから音はかなりクリアーですが、いわゆる蘇州型より、音の揺れは少なく、
ヨーロッパの楽器と一緒に弾いても、違和感のないタイプの音作りを目指しました。
今回の西野二胡(ジョージガオタイプ)は、蘇州系の構造の拡大版と、
皮の特殊加工で、全音がスムーズに鳴るタイプ。
音としては、蘇州型の響きと、そのまま続いていく高音部と言う感じですかね。
もちろん、1台1台、木も、皮も違います。
私の弾く腕ではかなりの違いの音になってしまいますが、
(これは以前から思っていた所なのですが、上手い人ほど、楽器の違いに影響されないし、
それなりに弾いてしまう。また楽器の音色に頼らない))
ある演奏家に弾いてもらったところ、
基本的には、私の望んだ方向は出来ているということです。(腕がないのがつらいですね)
さて23日、大阪で、これら光舜二胡、西野二胡、皆さんに弾いていただきたいと思います。
突然ですが、ジョージガオモデルの先行発表と言うことになってしまいました。
忌憚のないご意見いただければ幸いです。
西野二胡、なんぼのものじゃい!と手ぐすね引いていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
悪口罵倒、なんでも聞きます。
良いご意見で有れば、今後の参考にさせていただきます。
みなさんの御来場、謹んで、お待ちしております。
光舜堂店主 西野和宏
”硬くて軽く”は高音を出す上で重要ですが相反することなのでなかなか難しいことです。そこを実現できたということは凄いことです。流石ですね。
ワタクシも人工皮を見た時に気がつけば良かったのですが、そこは凡人ゆえにそこまで頭が回らなかったですね。まだまだだなぁと思います。
しかし、そんなコトを書いちゃって良いんでしょうか。かなりのノウハウだと思いますが。
じみ