二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の病気、その2

2014-02-10 13:03:06 | ■工房便り 総合 
人も二胡も同じように細胞で出来上がっています。

誰が作ったのかわかりませんが、人も植物も大変よくできています。

こんな複雑なもの誰が考えたのだろう、だれが作ったのだろうと時々考えます。

二胡は人ほど、複雑には出来ていませんが、(人が作れるものですから)それでもその作られている素材は、何億年とかかって地球の上で生きてきた植物たちですし、

蛇皮にしても、単に蛇皮なわけではなく、蛇という爬虫類の皮なのです。

紫檀にしろ、黒檀にしろ、何百年も育ってきたものを、人の生活の役に立てようと、伐採されたものです。

木や植物たちが、人の生活の中で何かに使われるようになってから、たぶん5,60万年ぐらいは立っているのでしょう。

その木の種類によって、槙の木は、棺桶に向いているだの、松の木は水に強い、桧葉の木はまな板などの湿気のあるものに良い、

柳の木は、裁縫の台につかわれ、唐桧は、弦楽器の表板に良いなどなど、

何百年も何千年も人々の知識の累積で、使い分けられてきたのです。

それらの知識が今どんどん使われなくなり、無くなってきた時代になりつつあります。

ヴァイオリンにしろ、今まで培われてきた知識が、かえって邪魔をしています。

それは総合的な木への知識が無くなり、ヴァイオリンを作るための木の知識になってしまいまいましたので、かえって木を知るということから離れてきてしまったようなところがあります。

二胡の木の知識もそうですね。

二胡というものはこのようなもの、このような木をこのように使うものということが固定観念として出来上がってきてしまっていますので、

今まで使ってきた、木が枯渇して新しい樹種を使って二胡を作ろうとしたときに、根本的な総合的な木の知識がないため、今まで使ってきた木の知識に押し付けようとしてしまっています。

1950年代以来、中国で量産化され始めた二胡は、年間数十万台という勢いで生産されてきています。

ですから、本当にインドの小葉紫檀などは無くなり、アフリカの紫檀や、見たこともない、老紅木などというのがこれからますます増えるでしょう。

今まで作られてきた二胡にしても、本来は古い家具や、家などを取り壊して出てきた、古い材料は良く乾いているので良い楽器が出来ると、どんどん作られてきましたが、

それにしても、これだけ年間数十万台できるほどにあったわけではなく、それまでは村の家具屋さんなどがぽつぽつと、手作りしていた時の量の比ではないと思います。

日本にだけでもこの20年間に25万台輸入されたといわれます。

長さ2メートル20センチの直系の丸太のインドの小葉紫檀から、5台の二胡きり出来ないのです。

たとえば今まで輸入された25万台の二胡がすべてそのインドの小葉紫檀だとして、5万本の丸太が必要なのです。

約4000㎥になります。

普通の住宅を作るとすると、400軒は出来るぐらいなのです。

そのくらいに日本に入ってきただけでも、使われる二胡の材料ですから、古い家や家具を壊したつぃてももうとっくになくなってい居る事でしょう。

そこでこの10年ぐらい前から、二胡には新しいアフリカの木や中南米、あるいは南米の木が使われるようになりました。





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