これは弦堂さんからお預かりしている、古楽器です。
皆さんがお持ちの二胡とはだいぶ違いますね。現在でも、頭の形はいろいろ工夫されていて、様々な形がありますが、
今無くなっているのは、むしろ木軸の方でしょう。木軸だけ色が違います、これ、どうやら柘植の木のようです。
これ以前の二胡が、同じように、柘植の木を木軸に使ったものが、多いのです。現在では市販品には全く使われていないと思います。
とにかく、材料が少ないのです。それに高額です。
木軸だけをつげの木で作るというと、ヴァイオリンを思い出します。
通常、ヴァイオリンも、ほとんどが、黒檀の木軸(ペグ)です。少し音色を変えたいと、指板やペグをローズウッドにする方もいますが、
ま、90%以上が黒檀でしょう。
但し、ヴァイオリンの作家が、制作のコンクールに出品時ば、柘植の木を使います。ホントかどうか分かりませんが、柘植の木でないと、入選もしないと言われているようです。
それはもともとの、オールドと言われる、ヴァイオリンたちが柘植の木のペグだったからだそうです。
柘植の木の方が音が良くなるという方もいます。
柘植はご存知のように薄くしても粘りも硬さもあり、櫛などに使われています。
これ、縄文時代の遺跡から出土した、櫛が柘植で作られていたそうです。
土に埋まっていて残っているというのもすごいですが、漆で塗ってあったために残ったのではないかともいわれています。漆はそのくらいの耐久力はありますから。
昔のの人も、用途によって材料を分けていたのでしょうね。
ということは、柘植は本当に、木軸にすると、良くなるのかもしれません。
私も少し柘植、(山柘植)持っていますので、今度作ってみようとおもいます。
一応、知識として、記録として、残します。
木軸の作り方です。旋盤で作ります。