二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡は歌う!(続きです)

2015-01-03 17:17:48 | ■工房便り 総合 
二胡は歌います。

唄わせるのは皆さんです!

皆さんの頭の中に音楽があるのでしょう。

誰かが作った曲かもしれませんし、皆さんの気持ちの中で自然に出てきた音楽かもしれません

たぶん音楽の生まれた最初は、言葉でしょう。

その言葉を、感情に乗せて、伸ばしたり、抑揚をつけたりすることで、

(勿論言葉以前にも音楽はあり得たでしょう、ただ確証はありませんが、赤ちゃんは言葉をしゃべる前にも歌いますからね)

今の世界中の音楽と言うのは、その民族それぞれに生まれてきたのかもしれません。

その民族独特の言語の音の成り立ちによって、その音楽も独自の発展をしてきたのだと思います。

何も音律だのとやかましく言えるほどの知識はありませんが、

もしかしたら、言葉が違えばそれぞれに音律と言うのは出来上がるのかもしれません。

日本でも民謡など聞いていると、その地方地方でその言葉に合った音程になっているような気もします。

日本語は、基本的には、子音と母音がワンセットになっていますね、

ヨーロッパ、アーリア人種の言葉は子音が続いたりもしますし、音の強弱がかなり重要なようですね。

それを自然に音にしたとしたら、譜点が付くような弾んだ音にもなるでしょう。

元々の言語が、音の高低で出来上がっている、中国語などは、そのまま感情込めたら、自然に音楽になるのかもしれません。

無理して、ヨーロッパの曲などに合わせて言葉を作ろうとすると、音の高低が反対になったりして、意味の分からない事にもなりかねせんね。

その歌に合わせて、その伴奏用に出来上がってきたのが、楽器なのでしょう。

歌を歌っていて自然に、手をたたき椅子をたたきテーブルなど叩いたりする打楽器もあります。

歌に合わせて弓矢の弓を弾いたり、棒でたたいたり擦ったりすることでも楽器は始まったのでしょう。

二胡もいつの事かは判りませんが、そのようにして少しずつ変化してきたのでしょう。

何処の国から来たのか、たぶん唐の時代から宋の時代にかけてシルクロードを通ってなのか、

あるいは、東南アジアの海を渡って来たのか、ペルシャからタイやカンボジアなど、東南アジア、はたまた韓国に至る東アジア一帯に二胡と同系統の楽器は広まってきています。

それらの色々な形の二胡の音楽を聴いているといかにもその国独特の歌と合わせるとても魅力的な音が流れてきます。

現状の中国から来た二胡は、もちろん民族楽器として、歌に合わせてあるいはお芝居に合わせて弾いてきた伴奏楽器です。

ですからその演奏というのは、もちろん歌に合わせた感じで引く事が多かったでしょう。

中国語は一つの漢字で音の高低があります。

だからでしょうか昔の二胡の演奏というのは一弓の中で強弱を引いたり、高低をつけたりするような演奏が多かったのではないでしょうか。

これは50年近く前に私が聞いた二胡の演奏が、その雰囲気を持っていたからそう感じるのかもしれません。

しかし今のニ胡の演奏は、ちゃんと音楽大学を出た人たちなどは、かなりヨーロッパの音楽に近い形で演奏しているようです。

むしろ歌を離れて、器楽だけの演奏、それも、ヨーロッパの学期に合わせて演奏するスタイルに変わりつつあるようです。

伴奏などもピアノも多く、そうするとどうしても、平均律ということになってきているようです。

今、日本にいる中国人の方の演奏を聴いていて、皆さんは特別変わった音階だとも思わないと思うのです。

むしろ沖縄の音楽やアラブの音楽のほうが、なんとなくエスニックな、雰囲気の音階でとても魅力的だったりします。

1930年代の、ベーノスアイレスの、タンゴや、古いジャズの、音が外れそうで外れていないのか、何とも言えないそのはずれ方に魅力を感じます。

私自身とても世界の民族音楽が好きで、たぶん相当聞いているほうだとは思っています。

しかし、いま、CDやユーチューブなどで流れている二胡の音を聞いても、その音楽がとんでもなくエスニックな感じというのはありません。

私たちの、子供の頃から親しんできた、ヨーロッパの音楽をベースにした曲たちと変わりなく聞けます。

それは今の、二胡を作り上げた時から、東洋のヴァイオリンを目指して作ったからかもしれませんし、

おおもとの 二胡を器楽曲を奏でられる楽器として、完成度を高めた劉天華師が、もともとヴァイオリン奏者だったからかもしれません。

決して民族音楽専門ということで、作り上げられてきたのではないと思うのです。

よく言われるのは、二胡の演奏を極めるには、中国曲を練習しないといけない!

それは私もそう思います、今二胡の器楽としての専門の曲というのは中国の曲きりないですから、二胡の演奏技術を網羅しているとは思います。

そういう点では中国の曲を練習はするべきなのでしょう。

まだ続きます。





















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