二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本の二胡を作る蛇皮、その2

2012-11-19 11:58:58 | ■工房便り 総合 
蛇皮は、生で使います。

皮のつかってある楽器太鼓も含めて生皮を使います。

通常、牛や馬など衣類やバック等にする皮は、全てナメシと言う工程を経ています。

要するに何時までも柔らかさを保つように、そして酸化していくのをなるべく遅くするように、してあります。

酸化防止をした最後には柔らかさを保つように、オイルを塗り込みます。

このようなナメシをした皮は張力を必要としている楽器には使えません。

柔らかくて、弾まなくなるからです。

さて蛇皮は、肛門から下のところは硬過ぎて使えない為に、使用できません。

首から肛門まで全ては使えますが、首からお腹のあたりまでは、蛇は大きな仔羊など丸のみにしたりもしますから、直径20センチくらいのおなか周りが、直径40センチくらいまでも伸びるようになっています。

ですから首から、おなかのあたりまでは二胡にしたとしても、相当良く伸ばしたとしても伸びやすい物なのです。

このあたりは比較的安価な二胡に使われたりもしますが、高級品は、おなかから肛門あたりまでの1m位を使います。

理由は、厚みがある事と、縦横の伸び率が比較的同じであるため、胴に張る時に均一に張りやすいからです。

ですから光舜堂ではこの部分以外には使いません。

この部分は大体、5枚から6枚は取れます。

これを6角形に切ります。

そして室温程度のところで、5時間ぐらい水につけておきます。

それから、裏に付いた肉をそぎ落とします。

この時に殆ど皮が良い振動板になるかどうかが決まっていまいかねません。

と言いますのは、肉をこそげ落とす時に、刃物を立てて、スクレーパーのようにして落として行くからです。

相当切れる刃物でやらなければなりません。

何しろ水を含んだ柔らかい肉ですから、削りにくいのです。

この為に私は、刃物を打ちました、平らな刃物だと、刃の端の角が皮を傷つけかねませんから

かなり浅い丸い刃物を作ったのです。

わたしは、刃物を手前にひいて肉を削り落しますが、何かの映像で出てきたのか覚えていませんが、この肉のそぎ落としの作業を見ていると、中国では刃物を押して削っていました。

こんなところにも、お国柄と言うのは出てくるようです。
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