二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

ご注文の二胡やっと皮が張りあがりました。

2021-05-08 09:55:24 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
昨年から、ご注文いただいていた、5台の二胡の皮が張りあがりました。



やはりシャム柿は人気ですね!

それと、ご注文の際、みなさん声をそろえておっしゃるのが、

「一番良い二胡が欲しい!!」

うーーーーん!!

楽器つくりは、いつでも、毎回、一番良いものを作ろうとしています。

楽器としての良し悪しの、決定的なのは、材料の良さでしょう。

材料の質が楽器としてのほぼ70%くらいは決めてしまいます。

人によっては、90%がという人もいます。

二胡の場合は、大前提として、木部がきちんと出来上がっていたら、あとは皮の張り具合でしょうね。

皮の質、というより、皮の削り具合が、人の技術の係わることのできるところの様な気がします。

それと棹と胴の相性。

いくら良い胴と、良い質の棹と組み合わせたとしても、不思議なことに、作者としての私が納得できるものにはならない場合もあります。

そこでこれから、いろいろ棹を差し替えて、これなら一番と思う状態に、仕立て上げていきます。

しかし、作者としてできる最高なものを作ったとしても、楽器としてはその時点が最高なわけではありません。

肝心なのは弾き込み。

チェンミンさんが19年弾いていたという二胡は、胴は、とんでもなく良い木を使っているわけではありませんが、棹が素晴らしく良い木でした。

沢山弾くときには一日14時間とおっしゃっていました。

そして私の作った二胡の一番古いものが、今、大沼弘典君が弾いている、13年前に作った、ブラジリアンローズとバリサンダーの組み合わせ、棹はバリサンダーです。

この一台だけを、毎日数時間は弾いているそうです。

この弾き込みの量が、楽器を一番良い状態に作り上げていきます。

それと、大沼君がこの楽器を購入してくれた時に、言っていたこと、

「この楽器が気になって仕方がないのです、これは良い楽器になりそうな気がするんです」

そのように思う楽器だからこそ、たくさん弾いてみたなかで、(彼は中国や楽器店の店員さんでしたから)これ一台を長く弾き込んできたのだと思うのです。

一台の楽器を弾き込むことこそ、最高の楽器を作る事だと思います。






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